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[ニュース分析]南北離散家族再会が無事終了、当局者会談につなげられるか

26日、江原道の離散家族面会所前で面会を終えバスに乗った南側の母イ・グムソクさん(93、左)が北側の息子ハン・ソンイルさん(74)と別れの挨拶をしている。60年余り離れ離れになり2泊3日の出会いを最後に再び別れることになった=金剛山/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

南北「8・25合意」最初のステップ
北側の態度は肯定的
行事開催中のNLL射撃も抑制的に報道
朝中関係などの影響あるものの
南北当局の意志が最大の要因に

 第20回南北離散家族再会行事(20~26日、金剛山<クムガンサン>)が予定通り終了した。南北「8・25合意」後の最初のボタンが難なく嵌められたことになる。「南北関係改善の呼び水」になるとされた離散家族再会行事が、当局の会談につながるかが今後の関心事だ。当局会談なしに南北関係の意味ある進展は望めないからである。政府内では「まだ方向を見定め難い」という慎重論と、「少なくとも南北当局会談開催までは進められる」とする相対的楽観論が行き交う。

 南北は高位当局者接触の8・25合意を通じ「南北関係改善のための当局会談をソウルまたは平壌(ピョンヤン)で早期に開催し、今後、様々な分野での対話と交渉を進める」と合意したが、2カ月が過ぎた今も後続の当局会談は開かれていない。

 だが北側の態度はとりあえず否定的なものではない。16日、韓米首脳が首脳会談で対北朝鮮強硬方針を明らかにしたが、北側は離散家族再会行事を予定通り進めた。北側団長のリ・チュンボク朝鮮赤十字社中央委員会委員長は24日、「今回の再開行事が終われば常時接触問題と手紙の交換問題など、離散した家族関連の問題を赤十字会談を通じて多角的に議論する」と明らかにしている。南側の海軍が24日午後、北方境界線(NLL)を越境した北側の漁船取り締まり艇に警告射撃をしたことに対しても、北側は批判レベルを調節した。人民軍や国防委員会でない祖国平和統一委員会報道官が出てきた上、声明や談話でない朝鮮中央通信記者の問答という“低い形式”で対応した。さらに「南朝鮮軍部好戦者が軍事的妄動にこだわり続けるなら武力衝突が起き、南北関係は再び8月の合意以前の極端な状況に一気に戻ることになる」としながらも「(離散家族再会など)和解の雰囲気が豊かな実を結ぶことを期待している」と明らかにした。北側なりに“情勢管理”をしているようだ。

 今後の南北関係の行方は、最近になり回復しだした朝中関係と韓米両政府の対北朝鮮対応方向に影響を受けるというのが専門家たちのおおよその観測だ。もちろん、最も重要な要素は南北当局の関係改善意志にある。政府は南北民間交流協力を以前より柔軟に対応しているが、非政治・軍事・経済分野に限定している。南北関係の意味ある進展を遂げるには、当局会談を通じた追加の合意が必要な時期になっている。

 一方、外交部はソウルで開かれる第2回北東アジア平和協力会議(政府間協議会、28日)と「2015北東アジア平和協力フォーラム」(半官半民1.5トラック、27~29日)を機に、6カ国協議首席代表のファン・ジュングク朝鮮半島平和交渉本部長が27~28日に米国(ソン・キム国務省対北朝鮮政策特別代表)、日本(石兼公博外務省アジアオセアニア局長)、ロシア(イーゴリ・モルグロフ外務省次官)の各首席代表とそれぞれ両者協議をする予定だと発表した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-27 10:26

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/714656.html 訳Y.B

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