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「歴史クーデター」の中断求めソウルで怒りの声

登録:2015-11-03 23:51 修正:2015-11-04 05:56
ソウル太平路などでキャンドルデモ 
「民主主義に対する暴挙」 
「今日の歴史教育は死んだ」 
国定化の即刻撤回を求める 
民弁、TF運営して憲法訴願を準備
3日夕、ソウル太平路街頭で開かれた歴史教科書国定化阻止大会に参加した学生と市民がキャンドルを高く上げて国定化の告示撤回を求めている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「地べたから伝わる冷気で、ぶるぶると体が震えましたが、ここで夜を明かしました。今日(午前)11時が来ない事を願いながら、その前に(歴史教科書国定化計画が)撤回されることを願いながら」

 3日午前、政府が歴史教科書国定化方針を正式に発表したというニュースが伝わると、ソウル鍾路(チョンノ)区の政府ソウル庁舎の前に立っていたホン・スンヒ氏(25)など、大学生約30人は落胆した顔を隠せなかった。彼らは前日の夜、市民の力で政府の国定化告示の撤回を圧迫しようというSNSでの呼びかけでここに駆け付け、毛布数枚と手に持ったキャンドルで寒さを凌ぎながら、冷たいブロックの上で朝を迎えた。

 同日午前、黄教案(ファン・ギョアン)首相が「歴史教育正常化のための談話」を読み上げていた時刻、政府ソウル庁舎の正門前に立って、小中高校の退職した教師らが「国定教科書復活は時代錯誤の妄想」として、直ちに中断することを要求する時局宣言を朗読した。宣言には退職教師656人が名を連ねた。震える手でマイクを握った退職教師のユン・ハンタク氏は、「1970年代、私が教団に立っていた維新時代、北朝鮮(の人々)が角の生えた動物として描かれた教科書で生徒たちを教えた」とし「今私たちはどんなことがあっても、その時代に戻ってはいけない」と訴えた。退職教師に続いて、同じ場所に立った「韓国史教科書国定化阻止ネットワーク」のメンバー約40人は、警察300人に囲まれ「今日民主主義と歴史教育は死んだ」と叫んだ。

 日が暮れると市民が続々とソウルファイナンスセンター前に集まった。この日午後、市民約300人は、「歴史クーデターを止めろ!」と書かれた横断幕を掲げてキャンドルを持った。この光景を見ていたホン氏(26)は、「歴史教科書国定化が強行されても、正しい歴史観に基づいた教科書が発行されるように、市民たちが引き続き牽制しなければならない」と訴えた。「国定化反対青少年行動」所属の高校生10人は、光化門(クァンファムン)広場の李舜臣銅像の前で、ユニークなパフォーマンスを繰り広げた。 「民・主・主・義・歴・史・教・育」と一文字ずつ書かれた紙に、遺影写真のように黒枠を被せて、国定化告示の強行で「民主主義」と「歴史教育」が死亡したことを象徴した。これを見た50代の中年男性は「歴史は若者が変えるもの」と応援のメッセージを送った。

 教師・市民団体は反対声明を相次いで発表した。全国教職員労働組合(全教組)はこの日、「政権が軍事作戦を敢行するように、予定日より2日繰り上げて告示することで、国定化を既成事実化した」とし、国定化確定告示の発表を「歴史クーデター」と規定した。イ・チョンヨン仁川市教育監(教育委員長に相当)と仁川(インチョン)の5つの教育支援庁教育長も、政府の国定化告示の撤回を要求する声明を発表した。参与連帯、経済正義実践市民連合、民主労総、市民社会団体連帯会議などの団体もしっかりとした意見集約の過程なしに告示を強行したことについて、「民主主義に対する暴挙」と批判した。

 市民社会団体の間では、今日の怒りを溜めて、今後の対応策をじっくり模索しようとする動きも現れている。民主社会のための弁護士会(民弁)などは「国定化対応タスクフォース(TF)」(仮称)を設け、告示から90日以内に提出しなければなら憲法訴願などの法的対応を準備する計画だ。

キム・ミヒャン、パン・ジュンホ、クォン・スンロック記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-11-03 21:17

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/715844.html 訳H.J

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