告示直後、党・政府・大統領府高位協議会開き
民生を前面に出して「不利な局面」転換を意図
3日午前、黄教安(ファン・ギョアン)首相の「歴史教育正常化のための対国民談話」には異例のプレゼンテーション資料が登場した。 6・25戦争(朝鮮戦争)の責任、天安(チョナン)艦事件、教科書執筆陣の指向など、現行歴史教科書の“左翼偏向性”を図表まで動員して説明する黄首相の姿は、大きな組織図や発禁本などの押収物品を揃え“公安事件”の捜査結果を発表する公安検事を連想させた。
黄首相が“教科書戦争”の最前線に出て、これまで国定化の必要性を力説してきた大統領府やセヌリ党は一歩後退している。 大統領府関係者は、国定化確定告示を2日も操り上げて発表した理由について「承知していない」と話した。 政府の国定化確定告示の発表直後に開かれた党・政府・大統領府高位協議会でも、金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表と黄首相、イ・ビョンキ大統領秘書室長など党・政府・大統領府の高位要人は「政界の不干渉原則」を強調した。 ウォン・ユチョル院内代表は会議後のブリーフィングで「国史編纂委員会が政治状況に振り回されずに正しい歴史教科書を作るためには独立性の保障が何よりも重要だ」として「そのためには政界が“不干渉原則”を守らなければならないという点に(党・政府・大統領府が)共感した」と伝えた。 特に来年4月に総選挙を控えたセヌリ党の態度が急変した。 ファン・ジンハ事務総長は「確定告示がされた以上、教育部が先頭に立ってこの問題を主導し“没入”する努力をすることにした」として、国定化の後始末を政府側に押し付けるような態度を見せた。
党・政府・大統領府のこのような態度は、政府の「国定化確定告示」を基点に世論戦に不利な国定化論議を後回しにして、いわゆる“民生イシュー”を前面に出して局面を転換しようとする意図が込められたと見られる。実際、大統領府とセヌリ党は、教育部がこの日の確定告示を通じて最終的な“くさび”を打ち込んだからには、時間が経てば反対世論もだんだん静まると期待している。 特に来年の総選挙以後に新たに国会が開かれれば、現在朴槿恵(パク・クネ)大統領が強調している“民生法案”の処理が不透明になるとし、いわゆる“民生速度戦”に踏み出す意志も明確にしている。