朴槿恵(パク・クネ)大統領と李克強・中国首相、安倍晋三・日本首相が1日、3年半ぶりに第6回3カ国首脳会談を終えて発表した「北東アジアの平和協力のための共同宣言」は、前文と56項目、13ページの分量に及ぶ。共同宣言の前文に明記された通り、「3カ国の協力強化が3カ国の間における2カ国関係及び北東アジア地域の平和と安定、繁栄に寄与するという認識を共に」した結果だ。しかし、その裏側には、3カ国間の緊張と対立、意見の相違が如実に現れる。3カ国が絡み合った日本軍慰安婦被害者の問題をはじめとする歴史認識、核・北朝鮮問題などが特にそうだ。微妙な緊張と異見のためか、3カ国首脳は首脳会談後の共同記者会見で質疑応答の時間を設けなかった。
共同宣言文に目新しい内容なし
「歴史直視、未来志向」
2010年の首脳会談の表現そのまま
北朝鮮問題も各国の主張並べただけ
200字原稿用紙64枚、1万1118字の共同宣言で、「歴史」という言葉は一度だけ登場する。共同宣言の前文にある「歴史を直視し、未来に向かって進んでいくという精神に基づき、3カ国が関連する問題を適切に処理し、2カ国関係の改善と3カ国の協力強化のために共に努力していくことにした」という文章だ。「歴史直視、未来志向」という表現は、2010年5月、済州(チェジュ)で開かれた第3回目の3カ国首脳会談の際に採択された「3カ国協力ビジョン2020」や今年3月に行われた3カ国外相会議で使われた表現と同じだ。この表現に込められた精神を具体的に実践する問題を巡り、3カ国の間で共通分母を見つけられなかったことを裏付けている。
実際どのような歴史を直視して、未来を志向するかについて、3カ国の間にはかなりの隔たりがある。首脳会談後の共同記者会見で、朴大統領と安倍首相はこの問題と関連して言及を控えた。しかし、李克強首相は会談の冒頭で「歴史をはじめとする敏感な問題を適切に処理し、東アジア地域が互いに理解を深める土台の上で協力が行われる」とし「残念ながら、私たちはこのように近い3カ国なのに、一部の国と国の間でより深く理解していないことが残念だ」と述べた。李克強首相は共同記者会見でも「周知の問題で、3カ国の協力のプロセスが過去3年間、妨げられてきた」とし「歴史問題は、政治的な相互信頼の前提条件」だと重ねて強調した。安倍首相に向けた強い圧迫だ。
北朝鮮の核問題をはじめとする朝鮮半島情勢に関しては、3カ国の微妙な意見の相違が共同宣言49項の4つの文章で、複雑ながらも継ぎはぎに縫い合わされた。しかし、3カ国首脳の共同記者会見で、その違いが比較的に明確な形で現れた。3カ国首脳は、共同宣言で「朝鮮半島における核兵器開発に反対」と「国連安保理決議と9・19共同声明上の国際的な義務・公約の充実な履行」を再確認した。 3月の3カ国外相会議で合意した内容と同じだ。これに「朝鮮半島の緊張を高める行為に反対」と「6カ国協議の早期開催」という中国側の主張、「(条件なしの再開ではなく)意味のある6カ国協議の再開」と「国連安保理決議違反行為に反対」という韓日の主張が入り混じった文章が共同宣言49項に並べられた。ところが、3カ国首脳は共同記者会見で、「(共同宣言に明記された「朝鮮半島」ではない)、北朝鮮の非核化目標の堅持」(朴大統領)、「日本の最(高)重要課題である(北朝鮮の日本人)拉致問題の解決に向けて、両首脳に強く訴える」(安倍首相)など、全く焦点が異なる発言を口にした。共同宣言には「北朝鮮の核」または「北朝鮮の核」、「拉致問題」という表現が見当たらない。李克強首相は会見で「核問題」に関連する発言をまったくしなかった。3カ国首脳がそれぞれ言いたいことは強調して、言いたくないことについては発言を控えた形だ。共同宣言の関連文言に、3カ国首脳の意志がどのぐらい込められていたについて疑念を抱かざるを得ないのも、そのためだ。
韓国語原文入力: 2015-11-01 21:26