準政府機関の韓国奨学財団が実施する学資金貸し出しの金利引き下げ問題を巡り、国会企画財政委員会の審議が難航している。新政治民主連合議員が、超低金利が続く状況で年2.7%の奨学財団の学資金貸し出し金利は高すぎるため、引き下げを要求したことに対し、企画財政部が消極的に対処したことで、26日に予定された国会予算決算審査小委員会と全体会議が開かれなくなった。
問題は22日の国会企画財政委予算小委で、韓国奨学財団が来年発行する債権2兆2000億ウォン(約2200億円)に対する国家保証同意案を議論してから始まった。企画財政部は奨学財団が財源を準備するため発行する債権の支給保証人になっている。キム・ヒョンミ新政治民主連合議員は「“学費半額”が朴槿恵(パク・クネ)大統領の選挙公約だったが、半額は無理としても、学資金貸し出しの利子は高すぎる」と批判した。またキム議員は、政府の学資金貸し出し支援対象に「直前の学期でC単位以上」とする成績基準を設けたことに対して「勉強をできない学生は大学にも通えないということなのか。余裕のない家庭の子供は毎日アルバイトをしているから成績を上げるのが大変なのが実情だ」と指摘した。
野党議員は韓国銀行の相次ぐ基準金利引き下げを根拠に、奨学財団の貸し出し金利引き下げを圧迫した。2013年5月に年2.5%だった基準金利は、今まで4回引き下げられ現在は1.5%まで落ちた。一方、2013年年に2.9%だった奨学財団の学資金貸し出し金利は今年2学期に2.7%に一度低くなっただけだ。奨学財団の金利が最近の金利引き下げ傾向を反映していないというのが、野党の主張だ。都市銀行の学資金貸し出し金利と比較しても大差ない。100億ウォン(約10億円)以上の大学生への貸し出し残額を保有した農協の貸し出し金利は年2.9%で、奨学財団と0.2%ポイントしか差がない。
学資金貸し出しが増え続け、学生たちの負担が大きくなっている点も、金利引き下げを主張する背景にある。奨学財団の資料によると、大学・大学院生への学資金貸し出し残額は2010年末に9兆739億ウォン(約9800億円)だったが、今年6月は12兆3149億ウォン(約1億2300億円)で3兆2410ウォン(約3300億円)も増えた。しかも景気悪化と青年失業が続く状況にあり、元利金償還負担を少しでも減らす必要があると指摘される。
野党の要求に企画財政部は対応に右往左往した。企画財政部関係者は「企画財政部は韓国奨学財団に支給保証を書いているだけだ。金利の決定は教育部の所管」と言い逃れた。こうした理由で企画財政部は「教育部に韓国奨学財団の学資金の貸出金利引き下げ方案を検討するようにさせる」と付帯意見を加えようと妥協案を示したが、野党は「もう少し具体的な内容を用意すべきだ」と受け入れずにいる。
韓国語原文入力:2015-10-26 20:01