何度叩きつけてもメンコは裏返らなかった。 「地獄のような韓国」という意味の新造語「ヘル(hell)朝鮮」が書かれたメンコは若者たちが集うソウル新村(シンチョン)の道端にガムのようにくっ付いていた。若者たちが、肩が外れるほど叩きづけたらメンコが一つ二つ裏返った。メンコの裏面に書かれた「ヘル朝鮮は裏返った」「最低時給1万ウォン」「三放棄(恋愛、結婚、出産の放棄)防止法制定」という文に若者たちは拍手を送った。
9日午後、ソウル西大門区滄川(チャンチョン)文化公園。 2030青年コミュニティ、21世紀韓国大学生連合など14の若者の団体が集まった「青年共感」が「若者の不満ステージ」というイベントを開催した。若者たちはローンを組まなければ通えない大学、就職の失敗、最低時給のアルバイトに苦しみながらも、「ヘル朝鮮をひっくり返せる」という可能性をまだ諦めていないと語った。
「不満ステージ」に上がった大学生のキム・ヒョンジ氏(20)氏は、授業料を収められず除籍された先輩の話をした。「学校の掲示板で授業料がなくて除籍されることになったという先輩の事情を見て、助けたいと思って会った。先輩は『これ以上大学に通うのは、私にとっては贅沢だ。今助けてもらっても悪循環は終わらない』としながら、支援を断った」と涙を見せた。ハン・デユン氏(20)は、「2年間ウェーターや皿洗いはもちろん、大型マートなどであらゆるアルバイトを転々とした。他に重要なことをやりたくても、最小限の生活のためにアルバイトは辞めるわけにはいかない」と話した。
青年共感は先月から全国の大学のキャンパス8カ所を回った。財閥の蔵を開放して若者の働き口を作ってもらいたいという趣旨の「財閥豚ダイエット」パフォーマンスを行ったり、就職活動生が集まるソウル鷺梁津(ノリャンジン)の学習塾街を訪れて「若者、ヘル朝鮮を覆そう」キャンペーンを繰り広げた。ユ・ジフン青年共感共同代表は「88万ウォン(約9万750円)世代からヘル朝鮮に至るまでの青年問題が話題になってから10年近く経ったが、与党も野党も心からこの問題に耳を傾けていない。しかし、私たちは放棄した世代ではない。ヘル朝鮮の現実を変えるために努力を続ける」と話した。
韓国語原文入力: 2015-10-09 19:32