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賃金ピーク制が青年のためだって? 韓国大学街で労働市場改編批判相次ぐ

登録:2015-09-29 22:18 修正:2015-09-30 07:24
 「青年共感ネットワーク」が主要大学で張り出した壁新聞を公開
 「賃金ピーク制は青年失業の解決を口実に賃金を減らす手口」「正社員過保護論は虚構」
建国大シン・ドンジュさんが張り出した張り紙「賃金ピーク制は労働改革ではありません」=青年共感提供//ハンギョレ新聞社

 労働市場構造改革に政労使が合意して、セヌリ党の5大労働法改正案が発表されると大学街にも動きが出ている。大学生は壁新聞を通じて容易な解雇と非正社員拡大を批判し、青年を口実にするなと批判しだした。

 14大学の学生団体が青年の就職問題解決のために集まったネットワーク「青年共感」は15日、政労使合意後に建国大、慶煕大、高麗大、西江大、梨花女子大などに張り出された壁新聞を公開した。

 梨花女子大シン・テヨンさん(哲学科12年度入学生)は「正社員過保護論は虚構だ」というタイトルの記事を通じて「現在、韓国社会の労働市場で青年たちの役割を奪い腹を肥やしているのは大企業の正社員労働者だというのは幻想に過ぎない」として、「青年たちの苦痛を口実に労働者全体をさらに大きな苦痛に追い込む試みに対抗して、仕事をする人々が努力にふさわしい待遇を受けられる社会が必要だと話そう」と主張した。

 西江大学生(社会科学15年度入学生)も「労働者を絞り取れば青年が生き返るのか」と題した記事を書き「就職準備青年100万人時代に、青年たちの声を聞かない合意が青年を生かしますか?」として「未来の労働者になる多くの大学生の1人として私はこの合意案に同意できません」と明らかにした。

 高麗大学生(師範学部13年度入学生)も「両親世代の賃金を削って子供世代に賃金を与えるという賃金ピーク制、正社員として雇用すれば費用が多くかかるので非正社員として雇用するという非正規雇用の期間延長、自分たちの気に入らなければ切るという一般解雇制度と就業規則変更要件関連ガイドライン、歳を取れば最低賃金で派遣に送るという派遣法変更…冗談じゃない!」と指摘した。

高麗大学生が張り出した壁新聞「彼らが言う国民の中には私たちはいない」=青年共感提供//ハンギョレ新聞社

 建国大シン・ドンジュさん(経済学科12年度入学生)は「政府は賃金ピーク制を実施すれば企業がそれで減らした人件費で青年を雇用するため、青年の働き口が増えると主張しているが話にならない」として「賃金ピーク制は青年を口実にして企業に費用を削減させるだけ」と批判した。

 青年失業を前面に出しているが、実際は青年の働き口とは関係のない「解雇・就業規則不利益変更要件緩和ガイドライン」、「非正規雇用拡大」などで満たされた政労使合意に対する批判は初めてではない。 アルバ労組や青年ユニオンなど10余りの青年団体は25日、ソウル龍山(ヨンサン)区のソウル駅前で記者会見を行って「国民皆に容易な解雇と生涯非正社員のくびきをかぶせる“労働改悪”を未来世代のための苦痛分担を図る改革だとして、青年のための政策であるかのように言う欺瞞と嘘が続いている」として「青年雇用と両極化の解消を放棄した労働改悪に怒りを持って行動し続ける」と明らかにした。

梨花女子大シン・テヨンさんが出した大字報「正社員過保護論は虚構だ」=「青年共感」提供//ハンギョレ新聞社

 民主労総がハンギルリサーチに依頼して24日に公開したアンケート調査結果によれば、設問に答えた20~60代の賃金労働者803人中59.2%も「合意は青年失業問題解決に役立たない」と答えた。

 青年共感のユ・ジフン代表は「政労使の代表がそろって青年のためと話したが、政労使合意文で青年失業に関連した内容は『努力する』、『講じる』だけで、政府は実効性もない青年希望ファンドを推進している」として「このような状況で青年学生の立場で感じる不満と怒りが大字報で表出されている」と話した。

キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/710611.html 韓国語原文入力:2015-09-28 16:33
訳J.S(1811字)

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