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政府の歴史教科書国定化に対抗し地方教育庁が「代案教科書」作成へ

登録:2015-10-13 01:17 修正:2015-10-13 05:41
韓国史国定化阻止ネットワークのメンバーたちが12日午前、ソウル鍾路区青雲孝子洞住民センター前で記者会見を開き、政府の韓国史教科書国定化の推進を糾弾するデモを行っている=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 教育部が12日、国定教科書を推進する方針を明らかにしたことを受け、キム・スンファン全羅北道教育監(教育委員長に相当)、チャン・フィグク光州教育監、ミン・ビョンヒ江原道教育監などは代案教科書や認定教科書を発行する意向を示した。

 全羅北道教育庁は同日、教育部の教科書国定化に対抗し「代案教科書」や「補助教材」を開発するという方針を明らかにした。キム・スンファン全羅北道教育監はこの日の幹部会議で「歴史教科書の国定化は“政権の教科書”を作るという発想」だとし、「政権が変わるたびに内容が異なる国定教科書が登場したら、誰がその混乱の責任を取るのか」と批判した。

 光州市教育庁は「韓国史の国定化は、自由民主主義を否定する」とし「独裁的発想に対抗し、認定教科書を作る」と明らかにした。チャン・フィグク光州教育監は「必須教科である韓国史とは別に『歴史哲学』『歴史と人文学』などの選択教科を開設し、開設された科目の授業に使われる認定教科書を教育監の権限で開発する」と説明した。また教材の共同開発と共同利用のために、全国的に連帯するという構想も示した。

 江原道教育庁も「歴史学者たちと歴史教師たちの検証を経た様々な教材を開発し、親日と独裁を隠したり、合理化する内容に対する批判が学生たちに伝わるように、様々な方策を講じていく」と明らかにした。江原道教育庁は「政府が告示した『2015年教育課程総論』によると、学校は教科用図書以外に教育庁や学校で開発した様々な教受・学習教材を活用できるとなっている」と述べた。

 ソウル市のチョ・ヒヨン教育監は、韓国史教科書国定化の決定について「世界各国が検定から認定に、認定から自由発行制へと変化する状況で、国定化への回帰は時代の流れに逆行するもの」だとし、教育部の行政予告の撤回を要求した。

 イ・ジェジョン京畿道教育監は「教育課程の運営権は、教育自治の意味で教育監の自律に任せる必要がある」とし「17の市・道教育監たちと共に阻止する」と述べた。イ・ソクムン済州道教育監も「昨年教学社教科書に4・3を歪曲し蔑む内容が盛り込まれて、道民たちが言葉では表せない痛みを味わった。済州として、今回の状況をさらに敏感に受け止めている」と懸念を示した。

 イ・チョンヨン仁川市教育監は、「単一の国定教科書はかえって教育界を分裂させるだけだ」と述べた。パク・ジョンフン慶尚南道教育監は「維新当時中学と高校に通っていたものとして、多様性の価値を切に感じている。国定教科書に反対するのも、このためだ」と明らかにした。

アン・グァンオク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-12 21:14

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/712541.html 訳H.J

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