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中国内需鈍化で韓国中小企業に代金踏み倒しの危機

登録:2015-09-24 23:06 修正:2015-09-25 07:05
 納品後、製品売れないとの理由で
 中国の代理商、支払いを躊躇う
 「決済リスク」の警告音相次いで聞こえる
 企業59.4%が掛買いや送金方式の取引
 信用状開設は9.9%に過ぎず
中国の内需が急速に鈍化し製品が売れなくなると、韓国の中小企業等から消費財を納品され販売する中国の中間代理商が代金をピンはねしたり支給の遅延が頻発している。写真は中国経済を象徴する上海浦東地域の高層ビル=上海/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 「今までプラスチック製品8万ドル分を出荷する際、45日以内に送金してもらう条件で、中国に輸出していたのに、(中国の代理商側が)販売が思わしくないとの理由で代金の支払いを断っています」。国内のあるプラスチックメーカーの訴えだ。

 中国の内需市場が急速に鈍化しているため、製品がよく売れず、韓国の中小企業から納品してもらった消費財を販売してきた中国現地の中間代理商が品物代金を途中で踏み倒したり、支払いを見送る事態が頻繁に起こっている。これにより、韓国貿易協会と大韓商工会議所中国現地事務所は中国進出韓国企業に対して、中国の代理商による「代金回収への支障・不能」警報を相次いで出している。

 貿易協会のホームページにある「中国ビジネスポータル」の質疑応答の掲示板には8月26日、ある国内企業の従業員の質問が載せられていた。「中国企業に物品を輸出・納品したが、現地企業が廃業したため、代金をもらえなかった。税法上、未受債権費用として処理するためには、中国企業の廃業証明書が必要だ」という内容だった。これについて、貿易協会上海支部は「こちらで調べた結果、その企業は中国関連当局に正常に登録されている」と答えた。故意に代金を踏み倒して、姿を消した可能性があるということだ。今年6月、韓国貿易協会北京支部は「最近、対中国輸出で決済リスクが高まる傾向が目立つ」と韓国本部に報告した。

 最近になり販売代金の回収に支障をきたすケースが頻発している要因としては、中国の内需の鈍化に伴う中国内の「金融梗塞」が挙げられる。現地の代理商たちは、韓国企業から卸売で納品された品物が、売り切れる前に物品預り証を担保に取引金融機関からの融資受け入れ代金を支払うのが一般的だ。ところが、内需市場が凍りついて、中国内のほとんどの金融機関が代理商に資金融資を渋るなど極めて保守的な態度に転じた。大韓商工会議所北京事務所は最近、「実体経済の鈍化で、昨年初め以降、中国内の銀行が、国営企業や100%担保が保証された企業を除き、民営企業との新規資金貸与取引をほとんど止めた。むしろこれまで融資した資金の回収に乗り出すなど、企業金融を締めている。このような“金脈硬化”により、『表では金をもうけているように見えるが、裏では損をする商売』という話が中国に進出した中小企業の間で広がっている」と、大韓商工会議所本部に報告した。金融の慣れが悪くなったことで、連鎖的に飛び火し、韓国の中小企業が「売上債権回収に支障を来す」事態を迎えているのである。

 中国の巨大な内需市場では、伝統的に製造業よりも流通業が優位を占めてきた。中国の30以上の省や直轄市ごとに独立的かつ排他的な販売代理店(代理商)が、各地域の商圏と営業・流通網を完璧に握っている構造だ。この代理商たちは、中国の商取引の慣習上、即座に現金で決済するのではなく、商品を受け取ってから1カ月以上経ってから代金を支給する掛買いの方法をとっている。 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のチョン・ファンウ中国調査担当官は、「以前から、中国に進出してビジネスをする際には『なるべく掛買い取引をしない方が良い』と言われてきた。しかし、中国に進出するためには、代理商を経なければならず、結局掛買い取引を避けられないというジレンマがある」と述べた。貿易協会北京支部によると、韓国企業の対中国輸出決済方法の59.4%(第1四半期)が掛買いか送金方式だ。代金の支払いを銀行が安全に保証する信用状の開設は9.9%にとどまっている。貿易協会が国内製造・流通企業232社を対象に調査した結果、中国内需・流通市場に進出した際の問題点として、現地での「信頼できるパートナー(代理商)の不足」(23.7%)が1位を占めた。信用状態の確認が難しい(貿易)の代理商が悩みの種だったが、中国が「新常態」(ニュー・ノーマル)に入って消費にブレーキがかかり、「代理店によるリスク」があちこちで顕在化している。

 中小企業メーカーとは異なり、ブランドパワーを持つ大企業は、中国での代理商を通じたこのような“掛買い取引のリスク”を数回経験してからは、掛買取引を大幅に減らし、現金取引に既に移行している。90年代半ばに中国に法人を設立してチョコパイを現地で生産・販売しているオリオンは現在、現金取引が90%に達し、掛買い(10%)は、資金力に問題がない大型マートとの取引にのみ許可している。これとは異なり、中小メーカーとして現金取引だけに固執すると、売上高の減少を冒さなければならないうえ、中国の商取引慣行を無視したまま、ただ掛買いを減らすこともできない状況だ。

チョ・ギェワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-24 20:17

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/710378.html 訳H.J

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