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韓銀が9月の基準金利凍結、10月の引き下げも否定的

金融通貨委員会1.5%維持
 内需回復・家計負債など考慮
イ・ジュヨル韓国銀行総裁=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行は11日、金融通貨委員会(金融通委)を開き、9月の基準金利を先月と同じ1.50%で凍結した。イ・ジュヨル韓銀総裁は「現在の金利水準と市中通貨量は景気回復を後押しするほど緩和的で、長期債券金利も米国と似た水準で低い」と述べ、最近一部の外国投資銀行(IB)が提起した「10月金利引き下げ」に否定的な考えを示した。

 イ総裁はこの日、金融通委会議後の記者懇談会で「中国市場の不安定性と米国連邦準備制度(連準)の金利引き上げの可能性により国際金融市場の変動性が高まり、新興国は成長の勢いが弱まっている」として「国内経済も内需から回復の動きを見せる一方、家計負債が高い増加傾向を現わしている点などを考慮し、今月の基準金利を凍結した」と明らかにした。今回の基準金利凍結は金融統制委員7人が全員一致で決めた。

 基準金利凍結は総額1100兆ウォン台(約110兆円)を超えた家計負債が毎月追加で急増する上に、来週の米国の金利引き上げの可能性と不安定な中国経済条件などを考慮した決定と解説される。特にイ総裁は「銀行の家計貸し出しが住宅担保貸し出しを中心に例年水準を大きく上回る増加傾向を続けている」と凍結の背景を説明した。実際に低金利と住宅景気活性化政策が重なり、6月末現在の家計負債は1130兆5千億ウォン(約113兆円)と集計された。最近5カ月間の銀行の家計貸し出しは毎月7兆~8兆ウォン(約7千億~8千億円)ずつ急増する傾向にある。

 米国連邦準備制度理事会が来週の連邦公開市場委員会で基準金利を引き上げる可能性も考慮された。イ総裁は「国内基礎経済条件と外国為替健全性は良好で、米金利引き上げの衝撃が他の新興国よりは制限的」としつつ「米金利引き上げが中国経済の不安や特定新興国危機と重なり韓国に衝撃を与える可能性を排除していない」と説明した。韓銀が基準金利を下げた後、ほぼ同時期に連準が金利を上げれば、両国の金利差が一挙に大幅に狭まり資本流出の可能性が大きくなる。

 イ総裁はまた「国内の長期市場金利や銀行貸出金利は基準金利ゼロの米国と同じかさらに低い水準にあり、現在の金利は景気回復を後押しできる水準と見ている」として「市中通貨量(M2)増加率も前年比9%を上回るなど緩和的な水準」と述べ、来月の基準金利も凍結する余地を残した。イ・ジョンウIBK投資証券リサーチセンター長は「直ちに金利を引き下げる主な変数がないという意味で、突然特別な要因が生まれなければ来月の基準金利も今月と似た判断が適用される」と分析した。

 イ総裁は今後、国内経済の流れに対して「7月に韓銀が展望した経済成長経路から大きく抜け出せないでいるが、対外不確実性がかなり高く、今後は予想成長経路に沿えない可能性もある」と見通した。イ総裁は「すべての可能性を残しておき、様々なケースにともなうシナリオを想定して対応策を用意している」と付け加えた。

ホン・ソクチェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-11 20:31

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/708547.html?_fr=mt2 訳Y.B

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