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労働市場構造改編法案めぐり韓国与野党が対立

与党「期間制期間4年」野党「2年超過時は無期契約」
蔚山北区楊亭洞の現代自動車3工場で非正規雇用と正社員の労働者が一緒に作業している=蔚山/キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

与野党法案から見る労働法争点

通常賃金
与党「定期・一律的金品」
野党「一切の金品」

労働時間
与党「特別勤務8時間許容で週60時間」
野党「特別勤務なしで週52時間即時施行」

派遣勤労
与党「55歳以上の高齢者など拡大」
野党「高度な専門知識業務に制限」

求職給与受給資格
与党「離職前24カ月間270日以上」
野党「18カ月間120日以上に拡大

 セヌリ党が16日、労働市場構造改編5大法案を発議し、かなり異なる内容ですでに発議されている新政治民主連合の法案と国会で正面対決することになり、“労働立法戦争”の幕が上がった。セヌリ党は期間制労働者の使用期間延長と派遣許容業種の拡大を持ち出したのに対し、新政治民主連合は非正規労働者の使用理由を制限する方案を提出し、衝突は避けられない。セヌリ党は17日、この法案を議論する汎社会的特別委員会を国会に設けようという新政治民主連合の提案を拒否した。

 ハンギョレが与野党が発議した期間制法と派遣法改正案を比較した結果、主要争点は「非正規労働者の拡大か縮小か」にあると分析された。セヌリ党の期間制法改正案(イ・インジェ議員案)は「35歳以上の労働者が申請する場合、雇用期間制限を現在の2年から4年に延長し、延長後も正社員に切り替えなければ離職手当てを支給する」とした。一方、2012年5月に新政治民主連合の党論で発議された期間制法改正案(パク・チウォン議員案)は、出産・育児などで代替人材が必要だったり季節的要因がある場合に限り期間制労働者を雇用することができるようにした。非正規労働者の使用理由が消えたり、2年以上期間制労働者を雇用すれば、無期契約労働者に自動転換されたことと見なす内容も含まれた。期間制労働者の使用理由制限は労働界の長い間の要求事項だ。

 与野党の派遣法改正案も、現在32業種に制限された派遣許容業務の拡大か縮小かで割れる。セヌリ党の派遣法改正案(イ・インジェ議員案)は55歳以上の高齢者、高所得管理・専門職、製造業のような根幹産業まで派遣労働を許容する内容が盛り込まれた。現在の32派遣許容業種は韓国標準職業分類基準として187業務だが、労働界はセヌリ党改正案が現実化すれば528業務の派遣が追加で許されると分析する。

 反面、2012年7月に新政治民主連合の党論で発議された派遣法改正案(ウン・スミ議員案)は、派遣許容業務を「高度な専門的な知識または技術を要する業務」に縮小し、許容業務に該当しても季節的事業などの理由を充足できなければ派遣を禁止する。製造業生産工程業務は「絶対的派遣禁止業務」と規定した。昨年、ソウル中央地裁が現代・起亜自動車の大規模不法派遣を認めるなど、製造業に蔓延した不法派遣の判断をめぐる「請け負いと派遣の判断基準」も与野党法案は異なり、論争を避けることはできなくなった。

 勤労基準法改正案をめぐり与野党は、通常賃金除外金品の範囲、週8時間特別延長勤労の許容、休日勤労の延長勤労と重複割り増し認定範囲という難題を解決させねばならない。セヌリ党の勤労基準法改正案(キム・ムソン議員案)は、政府が決める施行令に通常賃金除外金品を定められることにした。だが、2013年6月に新政治民主連合のホン・ヨンピョ議員が発議した勤労基準法改正案は、除外金品に関連する規定を定めなかった。除外金品の範囲により延長・夜間・休日勤労の手当ての基準になる通常賃金の金額が変わる。

 労働時間は「週60時間」対「週52時間」の戦いとなる。与野党は「1週間は7日」として休日勤労を延長勤労に含むことには異論がない。ただセヌリ党は、労使が合意すれば休日に限り週8時間特別延長勤労を許容し、週60時間(週40時間+延長勤労12時間+特別延長勤労8時間)までできるようにするのに対し、新政治民主連合は週52時間(週40時間+延長勤労12時間)を即座に施行することを求めている。

 与野党は求職給与(失業給与)拡大と出退勤事故産業災害(産災)認定などでは共感し、雇用保険法・産災保険法改正案は大きな論点にならないだろうと予想されたが、与野党の法案内容の差はかなりある。

 特に、現在の離職前18カ月間180日以上雇用保険に加入すれば求職給与を受けることができる「寄与要件」を、セヌリ党は“強化”(24カ月270日以上)、新政治民主連合は“緩和”(18カ月間120日以上)で食い違う。求職給与の寄与要件が緩和されれば、6カ月未満の契約を結んで仕事をする労働者も仕事を失った後に求職給与の恩恵を受けることができる。

 一方、新政治民主連合はこの日、セヌリ党が“速戦即決”で労働市場構造改編5大法案を発議した行為を批判し、国会に別途の特別委を構成しようと提案した。イ・ジョンゴル同連合院内代表は、国政監査対策会議でセヌリ党の法案発議が「軍事作戦を連想させる」と述べ「セヌリ党が労働者とその家族を照準射撃の標的とした」と批判した。だが、セヌリ党のウォン・ユチョル院内代表は「時間が多くないので環境労働委員会中心に立法審査を終えねばならない」と提案を拒否した。

キム・ミンギョン、ファン・ジュンボム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-17 22:22

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/709385.html?_fr=mt0 訳Y.B

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