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韓国、「政教癒着」極右が民主主義を飲み込みつつある【寄稿】

登録:2026-01-08 00:26 修正:2026-01-08 09:58
イ・スンウ|弁護士
旧統一教会の傘下団体、天宙平和連合(UPF)のソン・グァンソク元会長が先月24日、ソウル西大門区の警察庁に出頭している/聯合ニュース

 民主主義は進歩と保守という二つの翼で飛ぶ。憲法的価値の中で相互けん制と均衡が実現するとき、社会は初めて健康な生命力を保つ。しかし今、韓国社会のいわゆる「極右」は、保守の仮面をかぶり、憲法的基礎を根本から揺るがしている。彼らは多元主義を否定し、政教分離の原則を無視し、特定の集団に対する嫌悪を動力とする。これは健全な保守政治ではなく、民主主義の根幹を破壊する「反憲法的病理現象」だ。

 韓国極右の根は深くて特殊だ。建国初期、李承晩(イ・スンマン)政権は反共主義を国是として掲げて事実を歪曲し、政敵を除去する手段とした。チョ・ボンアム処刑事件はその悲劇的な序幕だった。基本権の保障を目的とする憲法の趣旨に反するものだ。さらに深刻なのは、政教分離の原則を無視した宗教と権力の野合だ。李承晩はプロテスタントに独占的な恩恵を与えることで政治的基盤を築いた。これは今日まで続く宗教権力の政治勢力化という毒キノコを育んだ。国家朝食祈とう会のような慣行が堂々と維持される現実は、韓国社会の政教分離原則がどれほどぜい弱かを傍証する。現在、特検が旧統一教会と政界の癒着関係を捜査中だ。癒着関係が事実なら、政教分離のための大々的な改革が必要だと思う。

 民主化後も極右が勢力を誇っている背景には、経済的二極化という悲劇がある。上位10%に富が集中するという国家独占資本主義の弊害によって中産階級は崩壊し、高学歴であるにもかかわらず低熟練雇用に押し出された若者たちは屈辱と疎外感にさいなまれている。知的な省察を通じてシステムの問題を考える余裕を失っている疎外された階層に、極右の扇動家たちは甘い毒薬を差し出す。自分の不幸を社会構造ではなく女性、性的マイノリティー、中国人などの社会的少数者のせいにする「嫌悪の政治」だ。

 このような現象は、グローバルな極右化の流れとも軌を一にする。トランプ以降の米国の極右が富裕層のシステムを擁護しながら白人優越主義と反移民主義で大衆の怒りを置き換えたように、韓国の極右も米国の極右勢力と理念的、財政的に同調しつつ勢力を強めている。問題は、伝統的な保守政党までもが彼らの声を選挙に利用しつつ、自ら極右化していることだ。憲法の精神を守るべき政党が戒厳のような反憲法的行為を擁護するに至ったことは、国家的危機だ。

 今、私たちは改めて憲法主義に立ち返らなければならない。嫌悪が政治となり、宗教が権力となる時代に、終止符を打たなければならない。まず、社会的疎外階層の声が合理的に制度圏に吸い上げられるよう、大選挙区制の導入などの政治改革が早急に求められる。経済的不平等を緩和する実質的政策とともに、嫌悪発言(ヘイトスピーチ)に対する法的、社会的な懲罰システムも整備すべきだ。

 何よりも、教育を通じて多元主義と政教分離という憲法の価値をあらゆる世代に深く移植しなければならない。合理的な慣行と討論を尊重する実質的民主主義に立ち返らなければならない。日常の熟議の過程を通じて独裁と扇動の可能性を遮断しなければならない。憲法を無視する極右の勃興は、民主主義の死を意味する。韓国社会がこの巨大な退行の波を防げなければ、私たちの民主的成就は一瞬で水泡に帰してしまうだろう。

//ハンギョレ新聞社

イ・スンウ|弁護士 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/1238576.html韓国語原文入力:2026-01-07 19:37
訳D.K

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