登録 : 2015.09.05 11:08 修正 : 2015.09.05 21:14

7月27日、板門店で開かれた停戦協定62周年記念式でテレンス・オシャネッシー国連司令部副司令官が挨拶している=共同取材団//ハンギョレ新聞社
スカポロティ米陸軍大将は
在韓米軍、国連司令部、韓米連合軍司令部
指揮する1人3役の司令官
国連司、1070年代の廃止決議案後
存置されて不明瞭な構造続く
対北情報監視体制を増強した連合司令部
国防部から情報漏れると
作戦計画5015漏洩の調査求める
非効率的指揮体系での行き過ぎた野心は
韓米の戦争遂行体系を阻害する

■ 韓米外交・軍事の複雑な混線

 地雷事件直後の北朝鮮に対話を求める提案には、国連司令部、米国務省が総動員されたといっても過言ではない。そこへ潘基文(パン・ギムン)国連事務総長まで加勢した。であるのになぜ北朝鮮は、これらをすべて拒否して朴槿恵(パク・クネ)大統領を選んだのだろうか。その理由について国防部は、軍の断固たる対応が北朝鮮を対話の場に引き出したと信じて止まない。軍事的強圧政策が北朝鮮の地雷挑発に対する遺憾表明につながったとしつつ、北朝鮮を軍事的に圧迫するほど結果は良くなるという集団思考で国防部は団結している。となると韓国政府が主導権を握って有利な対話をするためには、今後、北朝鮮を圧迫するためより多い軍事情報をマスコミに公開しなければならない。そうすれば北朝鮮は従順になるという“希望的思考”があるため、何を公開してよく、いけないのかを判断する分別と自制心が崩れてしまった。

 韓米間で6月に署名された「作戦計画5015」をマスコミに流し米軍の反発を招いただけではない。有事の際、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国防委員会第1委員長を除去する「斬首戦略」まで公開してしまった。これは非常に深刻な問題を呼び起こす。2003年3月にイラクを完全に掌握した米軍も、サダム・フセインを逮捕するのに8カ月もかかった。2001年の9・11テロ主犯のオサマ・ビンラディンが除去されるのは、テロ発生から9年8カ月後の2011年5月だった。だが国防部が明かした斬首戦略によると、北朝鮮が核ミサイル発射をしようとする兆候がある時、発射できないようにするために韓国型“キルチェーン”概念で対応し、少なくとも25分以内に先制攻撃で金正恩委員長を除去しなければならない。それが可能なことだろうか。万一、そんな計画を実行するなら、有事の際に金正恩委員長は、韓国のわずかな攻撃兆候があっても自身に対する除去の動きと認識し、迷わず核ミサイル発射を押し切ってしまうだろう。これほどの危険を甘受する発言が出てきたのも、直ちに北朝鮮を圧迫する効果があるためだ。国防部は、板門店で交渉が進んでいる間、北朝鮮の潜水艦50隻が消え追跡できなくなっているとするマスコミ報道も送りだした。多くの問題を呼んだこのブリーフィングは、まず“50隻”という数字が事実でない点が後に確認され、不正確なブリーフィングをした責任者に対する問責論につながった。これも北朝鮮を圧迫する意図から飛び出した発言だが、事実ともかけ離れ、適切な情報公開でもなかった。当然米軍と衝突が起きる事案だ。

 連合司令官が韓国政府に度々不快な感情を示す理由がここにある。軍事的強圧政策より北朝鮮に対する宥和政策を示した米国政府が、北朝鮮はもちろん韓国政府にまで無視されたと考える可能性が高い。しかし、ここで疑問が残る。果たして韓国政府が同盟に依存せずに北朝鮮に対しごり押しと強圧という軍事政策を実現する能力があるかという問題だ。ごり押しは相手に挑発できなくさせる力で、国際政治では抑止力を核兵器と認識している。ごり押しが敵対国に何かをできなくさせる力であるなら、強圧は何かをさせるための力だ。相手に降伏宣言をさせたり、屈辱的な対話に臨むようにしたり、攻撃兵器を撤収するようにさせる力を発揮する軍事政策を示す。今、国防部は自らの主導で北朝鮮が準戦時体制を解除し、地雷事件に対し遺憾を表明する成果を上げたと陶酔している。米国は今回の危機で韓国にステルス爆撃機やステルス戦闘機、空母を支援しなかった。前方に配備された韓国の軍事力が核心的な役割をしたと認識しようとする傾向にある。

■ 感情のしこりと責任問題

 実際に北朝鮮の立場から、韓国が単独で北朝鮮に対するごり押しや強圧を駆使する能力があると認めるかは疑問視される。核心的な情報と作戦能力をほとんど米国に依存する韓国軍の能力を北朝鮮が熟知しているところに、「朴槿恵大統領の断固とした姿勢に金正恩委員長が怯えて対話を受け入れた」という私たちの見解が、果たして北朝鮮でも通じるのか。さらに権限と責任が曖昧な我が国の軍統帥体系では、国連司令官の統制が達し得ない停戦協定外で単独で危機を管理できる手段、方法、権限が明確に識別されていない。軍自らも混乱する。複雑な迷路のようにからまったこの危機管理体制は、世界で例をみない奇妙なシステムだ。

キム・ジョンデ「ディフェンス21プラス」編集長//ハンギョレ新聞社

 だから危機が起きれば韓米間に感情的しこりが残り、私たち内部でも責任問題が必ず起きる。いったいこれをどう理解すべきであり、こんな体制が韓国安保の唯一の対案であると神のように奉じる奇妙な集団心理は、どう解釈すべきなのか。さらに日増しに規模が縮小される在韓米軍は、国連司令部の機能強化に一層執着し、かつての朝鮮戦争の国連司令部参加国に人員を派遣してほしいと要請している。当時の参戦国16カ国が再び来ることになるという話だが、彼らは一昨年の軍事演習の乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアンで韓国国防部の「積極的抑制戦略」に対し、「国際法を違反する先制攻撃概念」と批判している。どうにもならない状況ではないのか。

キム・ジョンデ「ディフェンス21プラス」編集長(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-04 18:58

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/707511.html訳Y.B

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