北朝鮮が離散家族の再会のための赤十字実務接触と関連した韓国の提案に迅速に同意したことで、今月22〜25日の南北「2 +2」高位級接触で合意された南北交流の再開が本格化するかどうかに注目が集まっている。
大韓赤十字社(韓赤)は28日、離散家族の再会に関連した赤十字実務接触を来月7日、板門店(パンムンジョム)の韓国側にある「平和の家」で開くことを提案し、翌29日、北朝鮮はこれに同意する意向を明らかにした。赤十字実務接触は、南北関係が極度に収縮され、北朝鮮が接触にまったく応じなかったこともあったが、概ね南北が直ちに対応してきたというのが政府の説明だ。最近の南北関係からして、北朝鮮のこのような迅速な対応は、南北関係改善への意志として解釈できる部分でもある。しかし、再会の日時及び場所、そして再会団の規模などをめぐり、今後の接触進行過程で南北間の本格的な神経戦が繰り広げられる可能性は依然として残っている。
■再会の過程はいかに
赤十字実務接触を通じて再会日程が合意されると、韓赤は人選委員会を構成して再会対象者の選定作業に入ることになる。人選委員会は、離散家族を探している申請者のうち生存者を対象に、高齢者と直系家族優先の原則を基本として、コンピュータによるランダム抽選でまず再会人員の5倍の数を選ぶ。このうち再会の意思と健康状態などを確認してから、再会候補者を2倍に圧縮した後、北朝鮮側と生死確認依頼書を交換する。そして生存者のうち、最終対象者を選定し、名簿を交換する。
再会の場所と日付は実務接触で最終決定されるが、おおよそ「10月頃、金剛山」が挙がっている。以前の事例からして、再会行事は、第1次は韓国側の再会申請者、第2次は北朝鮮側の再会申請者に分かれて、それぞれ2泊3日ずつ計6日間行われる。再会初日には離散家族面会所で団体再会を、翌日に個々の再会、共同昼食会、野外再会、個別夕食を、そして最終日には個々の朝食、お別れの時間、個別昼食を経て、午後に帰ってくる予定だ。
■2 + 2合意、すべて履行されるか
最近の南北当局者の接触で合意された6つの事項のうち、地雷事件に対する北朝鮮の遺憾表明(第2項)と準戦時状態を解除(第4項)、対北拡声器放送の中止(第3項)は、すべて完了した状態だ。これから当局者会談(第1項)、離散家族の再会と定例化(第5項)、民間交流の活性化(第6項)など、残りの3つの項目の中で離散家族の再会行事は、その最初のボタンになる見込みだ。当局間の対話や民間交流の活性化、また離散家族の再会の定例化などは、今回の再会行事の円滑な進行と結果に左右される可能性が高い。
金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が「今回の合意を大切にして豊かな実りに育てていかなければならない」と前向きな態度を見せており、『わが民族同士』や『朝鮮新報』など、北朝鮮のメディアが、合意案の履行で誠意が見られたら、南北関係が急進展する可能性があると報じるなど、雰囲気の変化が感じ取れる。しかし、10月10日の党創建記念日に人工衛星の打ち上げを理由に長距離ロケット発射に出た場合、国際的な制裁につながり兼ねず、南北関係も萎縮する可能性がある。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「ロケット発射という問題をどのように扱うかが、今後の南北関係のカギ」だと予想した。
一方、この日、韓国軍は対備態勢を平時のレベルに下方調整した。北朝鮮軍も準戦時状態の解除に続き、24日から28日まで前方部隊に下した特別警戒勤務令も解除したと伝えられた。軍関係者は30日、「北朝鮮の木箱地雷と砲撃挑発で最前方部隊に通達された最高警戒態勢と敵の局地的脅威が高まったときに下される『珍島犬1』がすべて解除された」とし「今は対備態勢が平時のレベルに切り替えられた」と発表した。
韓国語原文入力::2015-08-30 19:45