「一般解雇要件」ガイドライン制定など労働市場の構造改革強行意向
政府が労使政治委員会の合意による解決が失敗に終わった労働市場の構造改編を強行することにした。政府は、韓国労総の要求を受け入れる意向がないことを明らかにした。これにより、労働市場の構造改善特別委員会における議論は事実上終わった。労働界は一方的な推進に反発し、対政府闘争を決意した。政府が推進する賃金体系の改編と企業別賃金交渉の時期まで重なっており、「4月の政労大激突」は避けられないものと見られる。
イ・ギグォン雇用労働部長官は9日、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、「韓国労総は、(昨日)の事実上の政労使大妥協決裂宣言を発表し、交渉再開の前提条件として要求する事項も労使間の根本的な見解の違いがある事案であることから、完全合意に達する日を期するわけにはいかなくなった」とし「政府は、今回の議論の過程で政労使間の合意があった事案について、後続措置を進めていく」と明らかにした。
このため、政府は、延長・休日労働時間の計算時に基準となる通常賃金の範囲を設定し、労働時間を短縮する内容などを盛り込んだ労働基準法の改正案を、今年の通常国会で処理することにした。このうち、労働時間の短縮は、すぐにでも52時間制を適用すべきという労働界の意見と、制度を段階的に適用して2023年まで52時間制を完全に導入する雇用部案との間で、大きな隔たりがある。
政府は、昨年クォン・ソンドン セヌリ党議員を通じて提出した勤労基準法改正案などの内容を修正することで、二つの問題の解決を図る方針だ。イ長官は「不確実性が大きいほど、労働者が損をすることになり、企業にとっても不透明であるため、なるべく早めの立法が切実だ」と述べた。
政府は8日、韓国労総が特別委員会における議論の決裂宣言をするきっかけとなった就業規則の不利益変更要件と一般解雇要件に関するガイドラインの制定も、政労使の合意なしで推進することにした。 「4月の政労大激突」の震源地となる部分だ。イ長官は「専門家と労・使団体の意見を十分に取り入れて具体化する」としたが、実際は早期にガイドラインや指針の形で現れる可能性が高い。
「労働不安定性の極大化につながる」
2大労総反発、共同闘争計画
政府は来年から施行される定年60歳義務化に先立ち、就業規則や団体協約に賃金ピーク制を導入し、企業の賃金体系を号俸制ではなく、職務・成果中心に変えること死活をかけている。政府はこのようにして賃金を減らすと、企業がこれを活用し、若者の雇用を増やせると主張する。
団体協約は労使の合意事案であり、政府が一方的に変更することはできない。政府は、労働組合がなく就業規則のみが適用される全90%の事業場に関連制度を導入するには早目の整備が不可欠として、ガイドラインの早期制定の必要性を強調している。イ長官は「企業や労組側が賃金体系の改編が労働者に不利益をもたらすのか、それとも利益をもたらすのかと訊かれたら、政府はこれに早急に回答する責務がある」と述べた。政府は就業規則と一般解雇要件に関するガイドライン制定について、「要件の緩和ではない」と何度も釈明してきたが、2大労総は「労働の不安定性の極大化につながる」と強く反対している。
政府は、非正規労働者のための総合対策と最低賃金制度の改善案などは、労使政委員会における議論を経て進めるとして、一旦先送りした。
2大労総は、政府の一方的な推進を防ぐために闘争する方針だ。韓国労総の関係者は、「政府案が国会の壁を越えるのは難しいだろう。このように労働者の怒りを刺激する限り、政府と労働側の衝突は避けられない」と述べた。民主労総は声明を出し、「民主労総は、廃棄すべき政策を脱法的な手段で押し通そうとする政府の試みを、必ず失敗に終わらせるつもりだ。予告された4月のゼネストはその始まりであり、5月のメーデー闘争に力を総結集させた後、5月から6月にかけて賃金·団体協約闘争、国会改悪立法阻止闘争など波状的かつ全国的な闘争で強く対応する」と宣言した。
11日にはソウル駅広場で2大労総所属の公共部門の労働者が集まって決意大会を開く予定だ。ハン・サンギュン民主労総委員長とキム・ドンマン韓国労総委員長が政労使交渉の決裂後、ともにこの決意大会に参加し、対政府闘争を宣言する計画である。
一方、キム・デファン労使政委員会委員長はこの日開かれた会議後、記者たちと会って、「特別委員会の終了後、辞退する」と明らかにした。
韓国語原文入力: 2015-04-09 20:19