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[ニュース分析]南「地雷挑発の謝罪」VS北「対北放送の中断」

登録:2015-08-24 00:43 修正:2015-08-24 07:31
南北高位級会談で何が協議されたのか
難航する南北高位級会談//ハンギョレ新聞社

 南北が22日と23日、電撃的に2回の2+2高位級接触を行った。(韓国側から)キム・グァンジン大統領府国家安全保障室長とホン・ヨンピョ統一部長官、(北朝鮮側から)ファン・ビョンソ北朝鮮軍総政治局長とキム・ヤンゴン労働党対南秘書がそれぞれ参加した今回の会談では、地雷の爆発と砲撃衝突など、軍事的緊張が高まっている状況と南北関係全体の懸案をめぐり、南北間の神経戦が繰り広げられたものと見られる。

 北朝鮮「挑発否定」、韓国 「再発防止」
 意見差埋まらず交渉が長引く
 離散家族の再会、5・24措置の解除など
 南北交流の懸案を議論した可能性も

 23日午前4時15分頃、第1回高位級接触が停会した後、ミン・ギョンウク大統領府報道官はブリーフィングで「双方は、最近の事態に対する解決策と今後の南北関係の発展方案について幅広く協議」したとし、概括的な接触の内容のみを伝えた。最近の事態とは、地雷の爆発と砲撃衝突、対北拡声器放送への打撃脅威などであり、今後の南北関係の発展方案とは、双方が提起している南北関係の懸案を指すものと解釈される。

 今回の接触で、韓国側は北朝鮮に地雷の爆発と砲撃を認めることと、謝罪を求めたものと見られる。これに先立ち、ホン・ヨンピョ長官は21日、キム・ヤンゴン秘書に「今回の事態を収拾する意思があるなら、最近の一連の挑発を認め謝罪、責任者の処罰と再発防止措置を行うなど、誠意と責任ある姿勢を見せるべきだ」という内容の通知文を送った。

 しかし、北朝鮮側はすでに公式メディアを介して、自分たちはこのような挑発をしなかったと否定してきたことから、接触でも否定したものと思われる。さらに韓国側の対北拡声器放送の再開も根拠のない挑発であり南北合意破棄とし、中断を要求したものと推定される。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「双方の立場が激しく対立しているため、10時間もの長い時間が費やされたと思われる」と述べた。キム・ジョンデ「ディフェンス21プラス」編集長も「双方が(謝罪と対北放送の中止などをめぐり)互いに屈服したという結果だけは受け入れないようにして、今回の交渉は妥結も決裂もない、奇妙な形になる可能性が高い」と予想した。

 南北はこれと共に、離散家族の再会と5・24措置の解除、金剛山観光の再開、DMZ(非武装地帯)平和公園などの南北関係の懸案を議題にあげたものと見られる。これに先立ち朴槿恵(パク・クネ)大統領は15日の光復(解放)節祝辞で、今年中に離散家族の名簿交換などを提案した。北朝鮮は再三5・24措置の解除と韓米共同軍事演習が中断されたら、離散家族問題も解決できると指摘した。

 双方が軍事的衝突と関連した激しい意見対立を迂回する手段として、南北関係の懸案を議論した可能性もある。キム・ヨンチョル仁済大学北朝鮮学科教授は、「北朝鮮がDMZ平和公園を作ろうと電撃的に提案した可能性がある。光復節祝辞で、朴槿恵大統領が強調し、北朝鮮側も5・24措置の問題を避けながらも、拡声器放送を中断させられる良いカード」だと述べた。

 首脳会談を議論した可能性は低いものと見られる。政府のある関係者は「金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は10月10日の労働党創建70周年を盛大に記念してから、南北首脳会談を提案するなど、対外関係に主導的に乗り出す可能性が高い」とし「大統領府も今のような対立状況で首脳会談を言及する可能性は低い」と述べた。ただし、ファン・ビョンソ局長が金第1書記の新年辞内容のように「韓国側が韓米軍事演習を中断して関係改善の措置をとったら、最高位級会談を開催できる」という程度の言及をした可能性があるとの見通しも出ている。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-23 19:48

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/705637.html  訳H.J

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