22日と23日に相次いで行われた南北高位級接触は「2+2」と呼ばれる新しい枠組みで行われた。キム・グァンジン大統領府国家安全保障室長とファン・ビョンソ人民軍総政治局長は、それぞれ韓国側の安全保障分野の責任者と、北朝鮮軍部のトップの地位にある。ホン・ヨンピョ統一部長官とキム・ヤンゴン労働党対南秘書は、南北対話の主要チャネルである統一部と統一戦線部を代表する責任者だ。安全保障と南北関係の分野の実権者が顔をそろえる南北対話は今回が初めてだ。
このような対話の枠組みが設けられた背景には、“参加者のレベル”をめぐる双方の駆け引きがあったものと思われる。北朝鮮側の「キム・ヤンゴン―キム・グンジン接触」の提案と、韓国の「ファン・ビョンソ―キム・グァンジン接触」の修正提案を経て、結局、「ファン・ビョンソ、キム・ヤンゴン―キム・グァンジン、ホン・ヨンピョ」という2対2の接触に帰結した。 2013年の南北当局会談の時も、首席代表のレベルをめぐり意見の対立があったが、今回は会談が決裂した当時の状況とは対照的な結果となった。
キム・グァンジン、ファン・ビョンソは安保、ホン・ヨンピョ、キム・ヤンゴンは統一分野の首長
南北懸案や軍事問題を超えて、安全保障全般の問題として認識した様子
初の「2+2対話の枠組み」...今後も維持されるかは未知数
韓国側は、今回の事態が一般的な南北関係の問題を超え、軍事的衝突が介在する事件であることから、北朝鮮軍部トップのファン局長の出席を要求したと伝えられた。北朝鮮側がこれを受け入れたのは、北朝鮮もまた、今回の事態を単純な南北関係の懸案や軍事問題に限定せず、総合的な安全保障の問題として認識したためと解釈される。単純な南北関係の懸案なら、対南ライン会談を、軍事問題に限定したなら軍事会談を開いたはずということだ。キム・ドンヨプ北韓大学院大学ミクロ研究所研究委員は、「10月の党創建70周年行事を控え、核と経済の並進路線の成功を誇示する必要がある状況で、北朝鮮の指導部は、今回の事件だけでなく、南北関係全体の文脈で、韓国側に伝えるメッセージがあっただろう」と分析した。
2+2の枠の採用は、対話に向けた北朝鮮の積極的な意図を示すものとの分析もされる。コリア研究院のキム・チャンス院長は「北がホン長官の同席を求めたことで、私たち(韓国)にとっては受け入れざるを得ない提案となった」とし、「北朝鮮は一方では軍事的緊張を高めながら、交渉者の役割を任せたキム・ヤンゴン秘書を前面に出し和戦両様の戦略を取った」と述べた。
しかし、この2+2枠が今後も維持されるかは未知数だ。追加会談が必要な状況が続けば持続可能だが、会談の成果がない場合は北朝鮮が離脱する可能性もある。目に見える進展があり、後続の措置が必要になる場合でも、他の実務的な枠組みを稼動する方向に向かう可能性もある。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「今回の2+2は、例外的な状況で、互いの意図が合わさって実現したものと見るべきだ」とし「今回のように最高位級が継続的に出てくる枠を、今後も継続しようとするのは、双方にとって負担となる可能性がある」と予想した。
軍事問題や安全保障の問題と重なる南北関係の特性からして、今回のような2+2枠を継続する必要があるとの指摘もある。キム・グンシク慶南大学教授は「南北にとっては平和の問題が常に重要なので、軍事・安全保障分野の責任者が一緒に出て一括協議を行うのが望ましい」と述べた。
韓国語原文入力: 2015-08-23 19:46