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キム・スヘン先生の「人間らしく生きよう」という言葉を忘れない

登録:2015-08-13 23:26 修正:2015-08-14 09:29
2007年に開かれたキム・スヘン(金秀行)ソウル大教授の定年退任式//ハンギョレ新聞社

 「胸が痛みます。『資本論は難しいものじゃない。結局は人間らしく生きようということだ』という先生のお話を、今も心に刻んでいます」

 聖公会大の卒業生キム・ヨンジン氏(27、社会科学部 08年度入学)は、5年前にキム・スヘン(金秀行)聖公会大碩座教授の「資本論講読」の授業を聴講した。 大学院の授業だったが、キム教授は関心ある学部生には快く講義室を開放した。 最後の授業を終えてヘムルタン(海鮮鍋)食堂に集まった受講生20人余りに酒を注いでくれたキム授は「人間らしく生きることが何より重要だ。人間らしく生きよう」という乾杯の辞を述べた。 キム氏は「数十年間を熾烈に勉強し分析してきた学者が、結局人間に言及したことがとても印象的だった」と言った。 彼がキム教授を「結局人間を語る隣のお爺さんのような先生」と記憶している理由だ。

 キム教授の突然の訃報が伝わると、大学と大衆講演で会った学生・市民、そして本を読んできた読者たちは切なさを伝えた。 新政治民主連合のウン・スミ議員(ソウル大社会学科 82年度入学)は、1982年新入生の頃に講師だったキム教授の授業を聴き、晩学大学生として復学した1998年にもう一度キム教授の教養の授業を聴いた。 彼女は絶望的な時代にキム教授から受けた「無愛想な激励」が大きな力になったと記憶している。 ウン議員は「授業を聴きながらも特に挨拶したこともなかったのに、試験の成績表を配りながら「皆さん、ウン・スミという皆さんの大先輩が獄苦を経て復学し、今度の試験で最高の成績を収めました。本当に懸命に勉強している」と言ってくださったことを覚えている。それ以後、博士学位まで勉強する上で大きな支えになった」と語った。

 イ・ソン・ヒイル映画監督はツイッターに「唯一下線を引いて読んだある時代の本…それがキム・スヘン教授の翻訳書だった。巨星が墜ちた。喪失感が大きい。繰り返し下線を引いただけに心の借りが大きい」と書いた。 他のネチズンたちも 「キム・スヘン先生のおかげで、マルクス、マックス…どんな名前にしろ私たちが合法的に会えるようになった。 故人の冥福を祈ります」(@flyhendrixfly)、「キム・スヘン教授が亡くなった…あの方が書いた政治経済学原論を初めて読んだ時のその明快さと言ったら…」(@pinkgamza) などの文でキム教授を追慕した。

パン・ジュンホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/702792.html 韓国語原文入力:2015-08-02 20:11
訳A.K(1198字)

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