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韓国経済団体、ソウルと平壌に連絡事務所の設置を提案

登録:2015-07-15 22:06 修正:2015-07-16 14:39
 「ここ数年、南北関係さらに悪化
 北朝鮮の交易、中国依存度90%」
 南北経済協力に新しい突破口が必要
 朝鮮半島の西部に平壌中心の産業団地開発など
 7大戦略課題を政府に公式提案
15日、ソウル・汝矣島の全経連会館で開かれたセミナー「南北経済交流のニューパラダイムと経済交流活性化」でパク・チャンホ全経連専務が挨拶している=全経連提供//ハンギョレ新聞社

 全国経済人連合会(全経連)が15日、南と北の経済団体がそれぞれ平壌(ピョンヤン)とソウルに連絡事務所を設置する案などを盛り込んだ、南北経済交流7大課題を発表した。保守性向の経済団体が、南北間の経済交流が縮小することに対する危機感から、南北経済協力の必要性を提起したものとして、注目される。

 この日、ソウル・汝矣島(ヨイド)の全経連会館で開かれた全経連主催の南北経済協力セミナーで、パク・チャノ全経連専務は「ここ数年間、南北関係の状況はさらに悪化している。しかし、新たな成長の突破口を見つけなければならない韓国にとっても、市場化と改革の拡大を図る北朝鮮にとっても、現在の南北経済関係は望ましくない」とし、南北経済協力の必要性を強調した。続いて、全経連傘下の研究機関の韓国経済研究院のチェ・スヨン研究委員が、全経連を代表して南北経済協力のための具体的な戦略課題7つを提示した。

全経連の南北経済協力7大課題 資料:全経連 //ハンギョレ新聞社

 この中で、南側の全経連と北側の朝鮮経済開発協会が、互いの首都であるソウルと平壌に連絡事務所を設置する案が最も目を引く。南北当局者や経済団体の関係者が一時的訪問ではなく、常駐の形で互いの首都に滞留したことは、これまでなかった。

 全経連は、また、朝鮮半島の西部にソウルと平壌、新義州(シンイジュ)を結ぶ陸路と鉄道を繋ぐことで、平壌を中心としたもう一つの産業団地を開発する課題も提示した。東部には雪岳山(ソラクサン)と金剛山(クムガンサン)から元山(ウォンサン)までを「東海岸国際観光ベルト」として建設しようという青写真も発表した。南側の企業と北側の企業を結び付けて支援する「北朝鮮企業再生プロジェクト」も提案した。チェ・スヨン韓国経済研究院研究委員は「南側の5・24措置発表以降、北朝鮮の対中国貿易依存度が90%に達するなど、中国の影響力が大きくなっており、南北経済協力を推進する必要がある」と述べた。全経連の関係者は、「7大課題の発表は全経連の公式の立場」であることを確認した。

 パク専務はまた、1995年に全経連が提示した南北経済交流の5大原則を発展させた、新しい5大原則を発表した。「南北の双方に役立つ経済交流」、「北朝鮮の自己主導の経済開発」のように、北朝鮮の主導性とパートナーシップを認める内容が盛り込まれた。

 全経連が南北経済交流の必要性を提起した背景には、南北経済協力と統一を高齢化などによる低成長脱出の突破口にしようとする経済界の期待が横たわっているものと解釈される。クァク・ガンス・ポスコ経営研究所グローバル研究センター長は「統一は韓国経済が再跳躍できる最大の原動力であり、2015年に統一が実現すれば、2050年には世界7位の経済大国になれる」と述べた。全経連は「大統領府、統一部、国家情報院などの関連機関に、これらの案を提案しており、政府が公式の立場を表明するのを待っている」と述べた。

キム・ジフン、クァク・ジョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-15 19:41

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/700410.html  訳H.J

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