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統一が「大当たり」か「大損」になるかを解くカギは開城工団にある

登録:2014-10-12 08:30 修正:2014-10-13 06:54
開城工団企業企業協会チョン・ギソプ会長
開城工業団地企業協会チョン・ギソプ会長 //ハンギョレ新聞社

 現在、開城(ケソン)工業団地には南の管理者と北の労働者、合わせて約5万3千人が勤務している。彼らは自らを単純な労働者や企業管理人とは考えておらず、民族の繁栄のための和解協力事業の最前線に立つ“統一の担い手”と考えている。

「開城工業団地の発展を願う市民フェスティバル」の主催団体の一つである開城工団企業協会のチョン・ギソプ(写真)会長も、同じ気持ちで開城で工場を稼動させていると語った。衣類メーカー「S&G」を経営するチョン会長は、市民フェスティバルを共同開催した理由について「開城工団がさらに発展するためには、より多くの市民が開城工団の現実を知り、その発展に関心を持つことが重要だから」と強調した。

-開城工団とはどういう縁で?

「2000年を前後して国内の衣類メーカーが東南アジアなどに大挙投資していた時、6・15南北首脳会談が開かれるのを見ながら、いずれ北が開放されればそっちに進出する方がいいだろうと考え、ずっと待っていた。その後、2005年に土地の分譲を受けて2008年に入居した」

-開城工団に入居して以降の状況は?

「李明博(イ・ミョンバク)政権が発足する時期だった。それ以後、工業団地をめぐる環境は悪化の一途をたどっていった。憂慮していた以上に政治的・安保的影響を多く受けた。開城工団に行くまでは、私は利益だけを追求する企業家だった。しかし、開城に行ってから、長い間考えたことのなかった統一、民族、分断、平和、共生、共栄などについて多くのことを考えるようになった。開城で試練を経験することにより、かえって私たちが進むべき道について悟ることになった」

-今年5月、開城工団企業協会長に就任されたが。

「企業の直面している困難を、南北当局に率直に顔色を伺わずに伝えることによって、企業各社に実質的な支援を与えられたら、と考えて協会長を引き受けた」

-昨年のように南北当局が企業の首根っこを押さえている状況で、容易なことではないと思うが。

「個人の栄達への欲望を捨てればいいと考える。企業が少々損害を受けても、民族にとって利益になることが重要だと思う」

-韓民族にとって開城工団はどんな意味を持つと考えるか?

「実際、まだ多くの国民が開城工団の価値についてよく分かっていない。今年初め、朴槿恵(パク・クネ)大統領が“統一大当たり”という話をしたが、統一が大当たりになるか大損になるかの分かれ道は、開城工団にあると思う。漸進的かつ平和的な統一でなければ、統一は途方もない災難になりかねない。 開城工団はそのリトマス紙のような所だ。開城は現在唯一残った南北経済協力事業の最後の砦だ。消えかかった火種をここからまた起こしてこそ、統一に向かう第一関門が開かれると思う」

-現在、開城工業団地の発展の最も大きな障害は何か?

「5・24措置だ。この措置のために現在、開城工業団地ですらも新規投資が禁止されている。企業は生き物と同じで、絶え間なく変わらなければならない。新たに投資しなければ、企業は枯死する。今は見ようによっては瀕死状態で、かろうじて人工呼吸器を付けてやっている状態だ。 開城工団が本来の構想通り、我が民族の和合と平和共存・共生・共栄を成し遂げるための出発点となるよう、 我々入居企業人は最善を尽くすが、開城工業団地事業そのものが南北当局の直接的な統制下にあるだけに、南北当局の意志が重要だ」

キム・ボグン ハンギョレ平和研究所長  (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/657256.html 韓国語原文入力:2014/09/28 20:44
訳A.K(1600字)

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