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[インタビュー] 少数者の人権代弁してこそ本当の政治リーダーシップ発揮

登録:2015-06-23 09:12 修正:2015-06-27 18:08
自らも性的少数者である石川大我・豊島区議員
石川大我・豊島区議員//ハンギョレ新聞社

 「声を出しにくい少数者を代弁することが世の中を変えることができる本当の政治的リーダーシップです」

 石川大我・豊島区議員(41)の政治家としての意志は確固としていた。社民党所属の石川議員は日本で自ら同性愛者であることを明らかにして選挙で当選した最初の政治家だ。

 15日、ソウル・中区のホテルで石川議員に会った。石川議員は13日、ソウルの大学路(テハンノ)で予定されたクィア文化祝祭パレードに連帯するため韓国を訪れた。

 「昨年のクィオパレードが保守団体の妨害を受けたという話を聞いて衝撃を受けた。韓国の性的少数者に及ばずながら力になり連帯の意思を伝えたかった」

 だが、クィオパレードへの参加計画は、保守系キリスト教団体が先にパレードが予定された時間と場所に集会申告をしたため失敗に終わった。石川議員は代わりに豊島区の協力自治区であるソウルの東大門(トンデムン)区議会と区庁長を訪問し、性的少数者の人権のための支援活動を求め、社民党の協力政党の正義党の性的少数者委員会を訪ねアジアの性的少数者を支持する連盟を作る計画を議論するなど、意味ある日程をこなした。

 石川議員は人権運動家として出発して政治家に転じた。「当事者の活動がなにより重要だが、その声を政策に反映するためには政治が不可欠」であることを悟ったためだ。彼は福島瑞穂・前社民党党首の秘書として2010年に政界に足を踏み入れた。当時の社民党は連立政権に参加しており、彼は性平等政策樹立の先頭に立った。

 「それまでは政府行政で性的少数者の存在はないかのように扱われてきたが、性的少数者の人権が明示された後の基本計画で、その存在が認められることになった」

 この計画で日本の一部の自治区では同性結婚に対する制度的支援もなされることになった。

 性的少数者を直接代弁する政治家が必要だと考えた彼は、2011年4月の地方選挙で豊島区議員候補として出馬した。まだ日本には自分が同性愛者であることを明かしたまま出馬して当選した政治家はいなかった。

 「以前の同性愛者候補者は性的少数者の人権だけを自分の議題とした。私は性的少数者だけでなく高齢者や障害者問題など多様な課題に対して包括的に接近し、少数者が生きやすい社会は多数者も生きやすい社会であることを強調した」

 豊島区政にも性的少数者の人権条項を反映させ、一般人に比べて自殺率が3倍以上高い同性愛者のための自殺予防対応策を用意するなど、意味深い活動をしてきた石川議員は4月、再選に成功した。

 石川議員は、昨年ソウル市の人権憲章が性的少数者差別禁止条項に対する保守新教団体の抗議で廃棄されたのが残念だと語る。「韓国の政治家に会って性的少数者の人権活動を求めたところ『それは市民がやること』という答えが帰ってきた。多数者の声は政界内にすぐ伝えることができるが、少数者の声はそうはいかない。だから少数者にはより一層の政治が必要だ」と強調した。

文・写真ホ・スン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-22 18:59

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/697009.html 訳Y.B

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