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韓国外相、訪日推進...韓日関係正常化のきっかけとなるか注目

登録:2015-06-16 21:43 修正:2015-06-17 15:27
 22日に実現する可能性...外交部「行くことになると思う」
 ユン長官としても最初の訪日
 「成果なき基調転換」批判呼ぶ可能性も
 慰安婦問題、性急な調整への懸念も
ユン・ビョンセ外交長官 //ハンギョレ新聞社

 韓日国交正常化50周年を迎え、今月22日、ユン・ビョンセ外交部長官が日本を訪問して祝賀行事に参加し、岸田文雄日本外相に会う計画が可視化している。1965年の国交正常化以来、最悪と評される韓日関係正常化の契機になれるかに注目が集まっている。

 今月10日、朝日新聞がユン長官の訪日が進められていると報じた直後、「確定したことはない」としていた韓国政府当局者は、日増しに態度を変え、「80%程度は(日本に)行くものと思われる」、「最終決定はまだだが、行くことになるだろう」などの肯定的な反応を示している。ユン長官が米国訪問日程を終えて帰国する17日かその翌日、訪日計画を発表するものと見られる。

最近の韓日関係の主要事案及び発言 //ハンギョレ新聞社

 ユン長官が訪日すると、朴槿恵(パク・クネ)政権の発足とともに外相に就任して以来、2年ぶりに初来日となる。当初就任2カ月後の2013年4月に日本を訪問する計画だったが、麻生太郎副首相など日本政府の閣僚の靖国参拝を問題視し、即座に訪問を取り消した。朴槿恵政権の対日強硬基調を表わした代表的な場面だった。当時に比べ、韓日関係の争点において特別な進展がない状況で、ユン長官の訪日が実現した場合、「成果のない基調転換」という批判に直面する可能性もある。ユン長官の訪日検討の背景には、批判を甘受してでもこれ以上は悪化した韓日関係を放置できないという判断があるものと見られる。

 それでもすぐに大きな成果を期待するのは難しいとの見方が出ている。両国の外交当局が「真っ向勝負」を繰り広げている懸案があるからだ。まず、今月28日から始まる世界遺産委員会では、朝鮮人数万人が強制徴用された日本近代産業施設を世界文化遺産として登録するかどうかが決定される。強制徴用事実の明記をめぐり対立している韓日は、それぞれの外交力を総動員して19の委員国と接触し、自国の論理で説得している。ユン長官も最近、ドイツとクロアチアを訪問し、米国訪問中にも、マレーシア外相に会った。これに関連し、現在進行中の韓日2国間協議が失敗に終わって表対決に突き進んだ場合、韓日関係に致命的な打撃になるのは必至だ。

 日本が先月、世界貿易機関(WTO)に韓国の日本産水産物の輸入規制を提訴したのも、韓日関係に大きな負担となっている。 “食の安全”にかかわる問題のため、戸惑いながらも国内の世論の動向を注視している韓国側は、貿易紛争を理由に時間稼ぎに出る見通しで、これに対する日本側の反発を考えると、両国の軋轢はなかなか収まらないものと見られる。

 ただし、一部では、ユン長官の訪日を通じて日本軍慰安婦問題と関連した両国の協議における進展を急ごうとするのではないか、という見方も出ている。朴槿恵大統領が先週、米紙ワシントンポストとのインタビューで「軍慰安婦問題協議で相当な進展があり、交渉が最終段階に来ている」と発言したことと関連し、これを具体化するために今回の訪日が進められているということだ。一部では、ユン長官が朴大統領の発言を既成事実にするため、慰安婦問題を急いで調整しようとするのではという懸念の声もある。挺身隊問題対策協議会(挺対協)は15日、声明を発表し、「(朴大統領の発言とそれに対する日本の否定により)期待感が高まるとともに、懸念と混乱も大きくなっている」と指摘した。

キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-16 20:10

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/696256.html  訳H.J

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