国防部が米国のTHAAD部隊視察後に報告書
大邱・釜山に配置しても効果は部分的
首都圏防御には役立たない
防衛事業庁「評価した事実はない」
地上配備型迎撃システムの高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国への配備が議論されているなか、THAADがソウルなど首都圏の防御には無用の長物であるという主張がされた。
国会国防委員会に所属するチン・ソンジュン新政治民主連合議員は21日、CBSに出演して「2013年に韓国国防部が米国のTHAAD部隊を視察し、そのTHAAD運営現況を評価したことがある」として「その報告書によれば釜山付近にTHAADを配置すれば部分的には効果があるが、首都圏の防御については全く効果が提示されなかった」と述べた。 チン議員は「従ってTHAADは首都圏防御には全く無用の長物であり、軍事的実益がないと」と続けた。 北朝鮮が休戦ラインから50キロしか離れていない首都圏を攻撃するなら短距離ミサイルを使う可能性が高いが、THAADの迎撃高度が40~150キロと極めて高い一方、距離は極めて近いため、対応が困難だということだ。
これと関連してチン議員側関係者は「当時政府が国会に報告した公務出張結果報告書によれば『韓国配備シミュレーションを確認した結果、THAADは高度30~200キロメートル、射距離250キロメートルの高高度弾道弾防御用であり、大邱(テグ)・釜山(プサン)地域に配置した場合、スカッドB、C、ノドンミサイル級の防御には適合、首都圏威嚇弾道弾(射距離100キロメートル級のKN-02等)に対してはシミュレーション結果未提示』となっている」として「THAADが首都圏の防御には適合しないことが確認された」と説明した。
これに対し韓国防衛事業庁は資料を出し、「2013年5月、長距離地対空ミサイル(L-SAM)事業のための資料収集を目的として米国とイスラエルの該当企業を訪問したことは事実だが、THAADを評価した事実はなく、韓国に不適合という判定を下したということも事実でない」と説明した。 防衛事業庁関係者は「当時、THAAD生産業者であるロッキード マーティンは、関連資料の提供も拒否しており、我々が何らかの結論を下す状況でもなかった」と話した。
一方、米国務部は20日(現地時間)、ジョン・ケリー国務長官が最近の訪韓時にTHAADの韓国配備の必要性に言及したことと関連して、「米国政府内部で交わされている議論についてなにげなく話したまで」と述べた。
マリー・ハーフ米国務部報道官代行はこの日の定例ブリーフィングで、自身がケリー長官の訪韓に同行したとしてこのように明らかにした。 彼は「この問題に対する我々の態度は変わっていない」として「THAADは今回の韓米外交長官会談の主題ではなかった」と説明した。 これはケリー長官の発言が韓国で波紋を起こしたためにこれを収拾しようとする意図と見える。