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朝鮮人強制徴用施設の世界遺産登録問題、22日東京で韓日協議

登録:2015-05-21 23:04 修正:2015-05-22 06:50
 世界遺産委員会の勧告に応じる形で
「軍艦島」と呼ばれる日本の長崎近海にある端島。ここは日帝強制占領期に朝鮮人強制労働被害があった場所だ //ハンギョレ新聞社

 日帝時代の朝鮮人強制徴用施設を含む、日本の近代産業施設の世界遺産登録推進に関する韓日外交当局者間の協議が、22日午後、東京で開かれる。

 チェ・ジョンムン・ユネスコ協力代表(次官補級)と新美潤・日本外務省国際文化交流審議官(局長級)が両国の首席代表として参加する。日本側が進めてきた長崎県端島(軍艦島)など「明治日本の産業革命遺産」23カ所のユネスコ世界文化遺産登録をめぐり、韓日が協議を行うのは今回が初めてだ。外交部は21日、「今回の両国協議は、韓日間の対話と交渉による解決策の模索が最も望ましい、という世界遺産委員会委員国の勧告に応じて韓国側の提案で開かれるもの」だと述べた。

炭鉱開発初期の1905年の端島。対日抗争期強制動員被害調査院報告書から //ハンギョレ新聞社

 これらの施設は4日、国際記念物遺跡協議会(ICOMOS=イコモス)の「登録勧告」決定を受けており、今年6月28日からドイツのボンで開かれる世界文化遺産委員会(WHC)も通過する可能性が高いとされている。政府当局者は、「過去10年間、イコモスが登録を勧告したにもかかわらず、世界文化遺産委員会を通過できなかった事例は、イスラエルとアラブ諸国との間の領土問題が介入された、たった1件しかなかった」と述べた。

 政府は、今回の協議を通じて、強制徴用関連施設7カ所を世界文化遺産に登録から除外するか、または徴用関連の内容を関連記録に盛り込まなければならないと、強調していく方針だ。一方、2013年から今年の登録を目標に外交力を注いできた日本政府は、申請時から既に関連時期を日本植民地時代以前の1850〜1910年に指定しているだけに、朝鮮人強制徴用とは無関係だと主張している。しかし、これについては、時期を植民地侵略以前に制限することで、日本の植民地支配と強制労働の論議を避けるための小細工に過ぎないという指摘が出ている。 23施設のうち、「地獄島」という別称がついた端島炭鉱などの7カ所は、日本植民地時代当時、5万7900人の朝鮮人が強制動員され、94人が死亡するなど、強制徴用の歴史が染みついているところだ。

 最初の協議を控え、両国の間には緊張感漂う神経戦が繰り広げられている。朴槿恵(パク・クネ)大統領が20日、韓国に来たユネスコのイリーナ・ボコバ事務総長に会って、「(日本が)強制労働が行われた歴史を無視したまま登録を申請することは遺憾だ」と述べると、21日菅義偉官房長官は「(遺産登録について)政治的主張をしてはならない」と反論した。

 韓日がそれぞれ次官補と局長級の首席代表を据えた点も目を引く。両国協議で攻勢に出ようとする韓国がより多くの権限で圧力を加えようとしているのに比べ、日本は「静かな反応」で一貫しようとする様子だ。

炭鉱開発初期の1905年の端島。対日抗争期強制動員被害調査院報告書から //ハンギョレ新聞社

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-21 20:08

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/692333.html 訳H.J

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