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北朝鮮人民武力部長、粛清後も北朝鮮の放送に登場…

登録:2015-05-14 23:44 修正:2015-05-15 07:11
 信頼度で試験台に立たされた国家情報院
 「金正恩がロシア勝利行事に出席」誤報など
 未確認情報の公開で信頼度に疑問符
北朝鮮の朝鮮中央テレビが11日に放送した記録映画「敬愛する最高司令官 金正恩同志が人民軍事業を現地で指導、主体104年(2015年)3月」に、先月30日に粛清されたと伝えられたヒョン・ヨンチョル人民武力部長(円内)が登場している=朝鮮中央通信/連合ニュース

 ヒョン・ヨンチョル人民武力部長粛清の発表で国家情報院が試験台に立たされた。 事実と確認された情報だけでなく、諜報水準の情況まで公開し、国家情報院が信頼度に対する疑問符を自ら招来したという指摘が出ている。

 国家情報院は13日、懸案報告形態で「ヒョン・ヨンチョル部長が先月30日に粛清された」と国会情報委員会に報告した。 「(ヒョン部長の)処刑を断定はできない」と線を引きながらも「高射銃による銃殺」「火炎放射後処理」 「家族参観」等の具体的な情況を提示した。 事実上、処刑を既定事実化したものと評価される。

 国家情報院は自信があるという態度を固守している。一部では国家情報院が高位職出身脱北者の証言や衛星映像資料など十分に確保したと見ている。 国会情報委の与党幹事であるセヌリ党のイ・チョルウ議員は14日、交通放送とのインタビューで「国家情報院が『根拠は確実だ。写真で確認した』と言った」と述べた。

 だが、国家情報院報告の翌日である14日にもヒョン部長の姿が北朝鮮放送に出てきており、処刑の事実関係に疑問を提起する声も高まっている。 この日、朝鮮中央テレビは2013年の記録映画を再放送し、ヒョン部長が金正恩朝鮮労働党第1書記に随行している姿を放送した。 国家情報院が推定する“反逆”容疑が事実ならば、過去の記録もそっくり消して歴史を“修正”するのが北朝鮮の前例であるのに、そのまま放映したわけだ。 処刑が事実でないと確認されれば、国家情報院の信頼は根底から崩れかねない。

 国家情報院が諜報水準の情報まで公開した背景に疑問を提起する見解もある。今月初め、ロシア戦勝節行事に金第1書記が参加するとして“誤報”を出したことに対する挽回を試みたのではないかという分析が出ている。 イ・ビョンホ国家情報院長は先月29日、国会で「日程が差し迫って(金第1書記が)ロシアに行く可能性が相当に高い」と話したが、すぐ翌日に北朝鮮が不参加を通知し恥をかいた。

 最近統一部を中心に進行されている対北朝鮮宥和策にブレーキをかける意図が介入したのではないかという疑惑も提起されている。 ある対北朝鮮専門家は「国家情報院発表に基づいた扇情的なマスコミ報道によって、そんなに大きくなかった朴槿恵政権の対北朝鮮宥和策まで結果的に推進に否定的影響を受けることになった」と話した。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-14 21:43

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/691309.html
訳J.S(1291字)

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