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金正恩体制4年...権力周辺に“血の粛清”

登録:2015-05-13 22:45 修正:2015-05-14 16:50
 国家情報院 「北朝鮮の高位幹部70人処刑」
 チャン・ソンテク、リ・ヨンホなど除去か犠牲に

 北朝鮮軍序列第2位のヒョン・ヨンチョル総参謀長が処刑されたという国家情報院の発表をきっかけに、金正恩(キム・ジョンウン)体制が発足してから幹部たちが一朝にして“粛清”される事態が再び注目されている。

金正雲体制粛清史 //ハンギョレ新聞社

 代表的な事例が、2013年12月労働新聞が大々的に失脚と逮捕、処刑の事実を報じたチャン・ソンテク党行政部長だった。金日成(キム・イルソン)主席の婿であり、金第1書記の叔父として、金正恩体制の実力者と評された彼は、金第1書記の後継者指名当時、「不満を抱いて皮肉を言うなど『陽奉陰違』(表では崇めながら裏では背反する)し、政変を謀議したなど」の疑いで「反党反革命的宗派分子」と規定されて処刑された。 2012年金正恩第1書記が政権を握って以来、これまで処刑された幹部は約70人にのぼると国家情報院は推計した。

 金第1書記の執権初期、軍部の実力者だったリ・ヨンホ前総参謀長とウ・ドンツク前国家安全保衛部第1副部長の解任もまた、他の粛清事例だ。二人は、金正日(キム・ジョンイル)総書記の告別式当時、霊柩車を護衛した8人組であり、金第1書記の軍部内の後見人になるという見通しが出ていた。しかし、2012年に急に北朝鮮メディアの報道から名前が消えるとともに、権力周辺から姿を消した。

金正雲執権後に処刑された高位幹部の数 //ハンギョレ新聞社

 金正日総書記の死亡前に、2009年に後継者に指名された金第1書記が関与したものと評価される粛清事件がある。貨幣改革を担当していたパク・ナムギ党計画財政部長の粛清(2010年3月)や、2011年6月ホン・ソクヒョン経済担当秘書が政策批判を理由に解任された事件などだ。

 相次ぐ幹部の粛清作業について、国家情報院は「恐怖政治」による北朝鮮内部の政情不安の可能性を強調した。しかし、揮下権力たちを誰でも除去できるほど、権力掌握に成功したことを示す事例という解釈も出ている。ヤン・ムジン北朝鮮大学院大学教授は「死刑が実施されている社会主義国家である北朝鮮で、処刑や粛清だけで不安定と断定するのは難しい。むしろ完全な(権力)掌握を宣言したものであるかもしれない」と指摘した。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-13 20:3

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/691133.html  訳H.J

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