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[記者手帳]「解雇通知」から6年...双龍自動車労働者の死は続く

登録:2015-05-04 00:27 修正:2015-05-04 06:13
双龍自動車汎国民対策委員会が、1月13日午前、ソウル東大門デザインプラザの前で行ったパフォーマンス。解雇後この世を去った双龍自動車労働者26人が履いていた靴である。4カ月も経たないうちにこれらに続く靴が2足も増えた=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 双龍(サンヨン)自動車が2646人の整理解雇を発表した2009年4月8日、社内下請の非正規労働者のオ氏が自ら命を絶った。その年の5月27日、脳出血で倒れたオム氏が死亡した。同日、金属労組双龍自動車支部は、京畿道の双龍自動車平沢(ピョンテク)工場前で記者会見を開き、「家族を含む数万人の人々を死に追いやらないでください」と訴えた。

 しかし、死は続いた。双龍自動車解雇者たちがソウル市・中区の大漢門(デハンムン)前に焼香所を立ててからも、2014年4月のセウォル号事故以降も、双龍自動車解雇者キム・ジョンウク、イ・チャングン氏が復職を訴えて双龍自動車平沢工場内の煙突に上った昨年12月13日にも、解雇者とその家族がこの世を去った。世界労働者の記念日であるメーデーに希望退職者キム氏(49)が前日死亡したというニュースが伝えられた。 28番目の死である。

 大量解雇直後の2009年6月双龍自動車支部が行った双龍自動車労働者284人の精神健康についての実態調査では、85%がうつ病の症状があると答えた。 2011年平沢大学が実施した解雇者など457人対象のアンケート調査によると、「自殺など極端な選択への衝動を感じたことがあるか」という質問に52.5%が「ある」と答えた。昨年末ハンギョレが56人の解雇者に同じ質問をしたところ、「ある」と答えたのは70%だった。昨年11月、「双龍自動車の整理解雇は正当だった」とした大法院(最高裁)判決で、復職の夢は破れた。双龍自動車解雇者が崖っぷちに追い込まれていることを示す警告音は、ますます大きくなっていく。

キム・ミンギョン記者 //ハンギョレ新聞社

 キム氏は、1月26日、双龍自動車労使が整理解雇事態後初めて向かい合って交渉を始めたことで、“希望の火種”を見つけたようだった。生活苦と精神的苦痛で心理療法を受けていたキム氏が、昔の仲間に電話をかけてきて交渉状況を尋ねたという。しかし、会社側は4月28日の11回交渉まで 「経営が復職の時期を話せる状態ではない」という言葉だけを繰り返し、キム氏は2日後のこの世を去った。

 双龍自動車支部は3日声明を出し、「意味のある合意が行われない場合は、また犠牲者が出るしかない。緊急災害救助が切実な状況だ」と訴えた。 6日、12回目の交渉が行われる。

キム・ミンギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-03 17:47

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/689541.html  訳H.J

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