本文に移動

「太極旗(韓国国旗)を燃やしたのはおまえだな」警察が無関係な市民の自宅で粗探し

登録:2015-04-25 08:51 修正:2015-04-26 19:51
 親を通して「調査に応じろ」と圧迫
 全身写真など10カット以上撮影して比較
 一網打尽式捜査に職権乱用と批判
ソウル都心で18日に開かれたセウォル号1周年集会の途中で太極旗を燃やすパフォーマンスを行っている //ハンギョレ新聞社

 検警が18日のセウォル号惨事1周年追慕集会で太極旗(韓国国旗)を描いた紙を燃やしたデモ参加者を必ず捜し出し、処罰すると公言しているなか、警察が無関係の市民を容疑者とみなし、自宅の衣装ダンスまで粗探しする強引な“一網打尽式捜査”をしていると批判されている。

 23日、大学生のK氏(24)が暮らす京畿道のマンションに、京畿警察庁所属の警察官が訪ねてきた。警察はマンションの管理事務所を通じてK氏の父に、さらに父を通じてK氏に連絡し、「太極旗毀損事件に関連し顔写真の照会など調査を受けなければならない」と伝えてきた。警察は郵便局に勤めるK氏の母にも「職場を訪ねる」と電話をかけてきた。

 当初は「召喚状を送れば調査に応じる」と答えたK氏だったが、警察の圧迫に苦しめられ駐在所で調査を受けた。警察は太極旗を燃やした人物が写る新聞の報道写真を前にK氏の顔と比較した。調査過程でK氏の正面、側面、全身など写真10カット余り撮った。調査が終るとすぐに警察は「犯人が着ていた服が家にあるか確認しなければならない」とK氏の自宅に行って衣装ダンスの写真まで撮っていった。

 追慕集会には参加したというK氏は24日、ハンギョレとの通話で「写真の中の人物の顔は自分の顔と完全に違っていた。にもかかわらず警察に『間違いないなら自首しなさい』『知っている人なら知らせてくれ』と言われた」と話した。K氏は「京畿地域では私を含め6人が捜査対象になっていると警察から聞いた。こんなやり方は過剰捜査ではないのか」と訴えた。

 京畿警察庁は「ソウル警察庁から容疑者の資料をもらった」と答えた。京畿警察庁知能犯罪捜査隊関係者は「調査はK氏の同意を得て行われた。国民的関心事案なので迅速に調査しようと自宅を訪ねた。K氏の父親が息子の服を記憶できず、母親にも電話してある」と釈明した上で、「K氏は犯人でないと判断し捜査対象から除外した。ただし最終判断はソウル庁でする」と答えた。ソウル警察庁捜査課関係者は「容疑者は今も特定中だ。捜査中なのでどう特定したのかは答えることはできない」と明らかにした。

 これに対しパク・チュミン弁護士は「任意捜査は当事者の同意がなければならないが、K氏の同意は警察が家族まで圧迫するなど、捜査に応じる心理状態に追い込んでなされた。これは職権乱用に当たる」と指摘した。

 一方検察は、1992年の大統領選挙直後、野党議員が太極旗を燃やして罰金刑を受けた事件を根拠に、国旗冒とく罪(刑法第105条)の適用も検討している。

キム・キュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-24 22:00

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/688380.html 訳Y.B

関連記事