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劣悪な韓国アルバイト事情、週単位で勤務時間が変わる「週雇いバイト」が横行

登録:2015-04-13 23:39 修正:2015-04-14 13:43
 マクドナルド・映画館・コールセンター等
 柔軟勤務制を悪用し一方的調整
 働きたくても働けない日が多い
 時には毎日勤務時間を変えることも
 「柔軟勤務? でこぼこ賃金で苦痛」
去年5月15日、韓国のマクドナルド売場の前で行われた「世界ファーストフード労働者の日・韓国行動」参加者がマクドナルドのキャラクターの扮装をしている パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 「あえて言えば週雇いバイトでしょう。一週間単位で働き、その分だけ賃金を受け取るからです」。マクドナルドの売場で“ライダー”(配達アルバイト)として働くソ氏(27)は自分を日雇いに例えて“週雇いバイト”と話す。 ソ氏は先月第一週に23時間、第2週と第3週にはそれぞれ38時間と34時間仕事をしたが、第4週には再び21時間に勤務時間が減った。 ソ氏が働いているマクドナルドの売場は、一週間単位で勤務時間を組む。 賃金は仕事をした分だけ時給で支給される。

 変動する勤務時間について韓国マクドナルドは「売場とクルー(アルバイト労働者)間の合意により勤務時間が決まる柔軟勤務制度であり、特に学業と家事を並行できるため学生と主婦の間で人気が高い勤務方式」と説明した。 だが、ソ氏の説明は違う。 ソ氏は「私が希望する時間と売場が必要な時間が同じなら良い制度かもしれないが、そうではない時には勤務時間の決定権は結局店側にある」と話した。

マクドナルド配達アルバイト・ソ氏の勤務時間 //ハンギョレ新聞社

 実際、2月最終週にソ氏は34時間の勤務を申請したが、実際に受け取った勤務時間表は14時間のみだった。 勤務時間を組む管理者に尋ねても「会社の事情をみながら売場が決めた事項」と言うだけだったという。 賃金はそれだけ減った。 ソ氏は「不安定な賃金で家賃を払えないと思い、1年間の独立生活をあきらめて両親の家に再び居そうろうすることになった」と話した。

 週雇いバイトはいたるところで横行している。 13日までにアルバイト労組に申告された事例を見れば、映画館やコールセンターのように業務量が流動的な事業場が主に週単位で勤務時間を組んでいる。 昨年、ホームショッピングのコールセンターで働いたイさん(30)は「私の日程ではなく商品の日程に振り回される暮らしだった」と話した。 人気商品が売れる時は週7日連続で働いたが、人気がない商品が放送に出た時は無給で休まなければならなかった。 イ氏は「週単位でどれだけの人員が必要だという注文が決まり、それに合わせて私たちのスケジュールも決定された」と話した。

 時には一日単位で勤務時間が変わることもある。ロッテシネマで働くイさん(23)は、午前2時30分の最後の映画にお客さんが1人も入らなければ、突然“早期退勤”を命じられる。 イさんは「お客さんが入らないのは私の責任でもないのに、突然早く退勤することになれば賃金もそれだけ減る。 固定アルバイトとして雇用されているのか、毎日会社が必要な人員を補充しているのか、分からなくなる」と話した。

 マクドナルドやロッテシネマは週雇いバイトを「柔軟勤務制度」と説明するが、労働専門家たちは「柔軟勤務制と見るより週単位で勤労契約を新たに結んでいると見なければならない」と口をそろえる。 勤労基準法が定めている柔軟勤務制度は、弾力的勤労時間制、選択的勤務時間制、裁量勤労だ。 これらの制度は長期的には勤務時間の総合計が一定で、主に固定給与を受け取る事業場を前提にしているという点で週雇いバイトとは違う。

 チェ・スンヒョン労務士(労務法人・暮らし)は「基準や原則がないので、毎週契約するたびに会社の力が強く作用すると見るのが当然だ。柔軟勤務ではなく労働者を自分たちの必要に応じて一週間単位で使うための制度」と指摘した。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/686710.html 韓国語原文入力:2015-04-13 21:43
訳J.S(1696字)

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