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[インタビュー] 韓国が労働市場改編のモデルとしたハルツ法…ドイツでは法律修正中

登録:2015-03-25 20:54 修正:2015-03-26 08:07
ハルトムート・ジャイペルト元ハンス・ベルロ財団経済社会研究所長

 独 ジャイペルト経済学博士
 「韓・独労働市場改革」フォーラムに出席
 「ハルツ法以後、労働者の20%が低賃金
 『失業率減少に寄与』したというデータない
 韓国の労働改革は差別深化の側に進んでいる」

ハルトムート・ジャイペルト元ハンス・ベルロ財団経済社会研究所所長韓国労働社会研究所提供//ハンギョレ新聞社

 昨年12月、チェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部長官は記者懇談会で、政府が推進している「労働市場の構造再編」を強調し、ドイツの「ハルツ改革」を望ましいモデルの一つとして言及した。 しかし、ドイツの経済学博士ハルトムート・ジャイペルト元ハンス・ベルロ財団経済社会研究所長(71・写真)は、ハルツ改革について「労使政の妥協の産物でも成功した改革でもない」と繰り返し強調した。

 24日午前、ソウル麻浦(マポ)区の韓国労働社会研究所でハンギョレ記者と会ったジャイペルト元所長は「正社員雇用が生まれるべきところに低賃金・不安定雇用をいくつも作ったハルツ法を肯定的には評価し難い」として、「韓国はハルツ法の弊害も一緒に考慮しなければならない」と話した。 ジャイペルト元所長は、ドイツのエバート財団と民主労総および韓国労総が25日に共同主催する「韓国とドイツの労働市場改革」フォーラムに参加するため韓国を訪れた。フォーラムは、労働市場構造の再編をめぐる政労使の見解の差が大きい状況で、ドイツ版の労働市場構造改編であるハルツ改革の教訓を考えてみようという趣旨で開かれた。

 ドイツは2002年に失業率が12%まで高騰すると、連邦労働庁はペーター・ハルツ当時フォルクスワーゲン人事担当理事を委員長とする委員会を立ち上げ、労働市場の改編について論議した。 ドイツ政府はこれを土台に労組の反対を押し切り「派遣労働2年の期間制限削除や“ミニジョブ”(当時最大月給400ユーロ)の活性化」のような労働市場の柔軟化案を打ち出し、2003年に法制化した。 それがハルツ法だ。 ジャイペルト元所長は「派遣労働の規制緩和やミニジョブの拡大とともに、失業給付の受給期間を減らし、失業者が質の低い仕事を受け入れるよう圧迫を加えた」と説明した。

 ジャイペルト元所長は、ハルツ法施行後の10年間に低賃金・不安定労働が増加したと語る。彼は「2003年に規制緩和が開始された後、ミニジョブは550万から2007年には690万に、派遣労働者は同期間に32万7000人から73万1000人へと急増した」として、「低賃金労働者(ドイツ統計庁の基準時給10.15ユーロ未満)も全労働者の20%水準にまで増加した」と明らかにした。 「ハルツ法で失業率が低くなった」という一部の評価に対し、彼は「どれだけ雇用が増えたかはドイツでも意見が分かれており、雇用増大に寄与したことを実証するデータもない」と反論した。

 韓国政府はドイツのハルツ法を手本にすると言うが、いざその当事者であるドイツでは、低賃金・不安定労働の拡大という弊害を解消するためにハルツ法の修正に乗り出している。 低賃金の拡大を防ぐために、今年から法律で最低賃金(1時間当たり8.5ユーロ)を導入し、正社員の労働を代替する派遣労働を減らすために派遣期間の制限(18カ月)規定の再導入を推進している。 ジャイペルト元所長は「雇用不安定問題が深刻化し労組の圧力も激しくなって、ドイツ政府が調停案を出さざるを得なかった」と言う。 彼は「韓国の労働市場改編は、労働条件の改善ではなく、むしろ格差拡大の方向で議論されているようだ」として「正社員であれ非正社員であれ、同一労働・同一賃金の原則を確立し、企業が非正規の雇用を乱用しないようにすることが非正規雇用問題解決の基本だ」と強調した。

キム・ミンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/683797.html 韓国語原文入力:2015/03/24 21:29
訳A.K(1732字)

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