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「チョン・ユンフェ文書」独自報道の世界日報前社長、政府の圧力で解任

登録:2015-04-08 20:46 修正:2015-04-09 07:08
 チョ・ハンギュ前社長が世界日報を相手に損害賠償請求訴訟
 政府要人が韓鶴子総裁側に「統一教会のパンドラの箱を開く」と圧迫 
2014年12月5日、検察が「チョン・ユンフェ国政介入疑惑」文書を報道した世界日報社屋を押収捜索すると伝えられた中で、世界日報の職員が窓から外の状況を見ている タク・キヒョン先任記者//ハンギョレ新聞社

 今年2月に解任されたチョ・ハンギュ世界日報前社長が「『チョン・ユンフェ国政介入疑惑』報道後、大統領府の辞退圧力により解任された」として、世界日報を相手に2億ウォン(約2200億円)の損害賠償請求訴訟を提起した。

チョ・ハンギュ前世界日報社長//ハンギョレ新聞社

 チョ前社長はソウル中央地裁に最近出した訴状で「世界日報が大統領府の圧力に屈服し、代表理事であり編集権者の地位を保有していた私を不当に解雇した」と主張した。 世界日報はチョ前社長が社長職にあった2014年11月28日、1面トップ記事でチョン・ユンフェ国政介入疑惑を含む、いわゆる「チョン・ユンフェ文書」を独自報道して大きな話題を呼んだ。 2013年10月14日に就任したチョ前社長は任期が19カ月残っていたが、2月27日の臨時株主総会で解任された。 これに対してチョ前社長が、定款で保障された3年任期を満たせなかったので、残余任期に受け取るはずだった報酬を支給せよと世界日報を相手に訴訟を提起した。

 チョ前社長は8日、ハンギョレとの通話で「表面的には残る任期の給与を求める損害賠償請求だが、実質的な内容は権力の外圧により言論の自由が脅かされた状況を明確な記録として残す必要性があると考え訴訟を提起した。 このようなことが繰り返されれば、言論の自由に対する“冷却効果”が憂慮される」と説明した。

 訴状は「チョ前社長はこの報道後、世界基督教統一神霊協会維持財団(統一教財団)などから強い辞退圧力に苦しめられた」として、特に「キム・マンホ世界平和統一家庭連合(統一教)総裁秘書室長が今年1月31日、チョ前社長をソウルのグランドヒルトンホテルのコーヒーショップに呼び出し、『政府の要人が1月29日に韓鶴子(ハン・ハクチャ)統一教総裁側に電話をかけ、チョ・ハンギュ社長を解任しなければ統一教のパンドラの箱を開くとして圧力を加えてきたので、チョ・ハンギュ社長を解任することにした』と説明した」と主張した。

 訴状は「その直後、代表理事が招集はおろか参加もしていない不法理事会が2月8日に開かれ、原告を理事職から解任する決議を行い、2月27日の臨時株主総会で『代表理事職を誠実に遂行できない』という理由で解任された。だが、世界日報は2013年と2014年に黒字経営を実現しチョ前社長の経営能力がはっきり立証された」としている。 訴状は「結局、原告はチョン・ユンフェ文書報道を許容したという理由だけで不当に解任されたのであり、それは政府側が財団側と統一教を税務調査などで圧迫することによって成り立った」と主張した。 1月21日、ソウル地方国税庁調査4局は統一教系列の株式会社清心と株式会社振興レジャーファインリースに対する税務調査に着手した。

世界日報が2014年11月28日に初めて報道した「大統領府秘書室長交替説などVIP側近(チョン・ユンフェ)動向」監察報告書 世界日報提供//ハンギョレ新聞社

 チョ前社長のこのような主張に対して統一教財団側は「全く事実無根」と明らかにした。 キム・マンホ秘書室長はハンギョレとの通話で「当時チョ前社長に会ったことも、辞退について言及したこともない。 完全に偽りの主張という事実を法廷で明らかにする」と話した。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/685967.html 韓国語原文入力:2015-04-08 16:29
訳J.S(1687字)

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