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開城工業団地企業の建議を北朝鮮が拒否

登録:2015-03-19 08:41 修正:2015-03-19 11:11
賃金引き上げ関連の建議書受け付けず
18日午前、京畿道坡州市の京義線南北出入り事務所で車両が開城工業団地に向かっている。この日、開城工業団地入居企業代表が北朝鮮の一方的な賃金引き上げ通知に抗議するため開城工業団地に行った。坡州/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮はビラ散布禁止の先行を提案
 代表団「互いに虚心坦壊に対話」
 統一部「賃金とビラの連結は不適切」

 開城(ケソン)工業団地入居企業代表団が北朝鮮の一方的な労働者賃金引き上げ通知に抗議するため北側当局者に会ったが、北側は建議書の受け付けを拒否した。専門家は開城工業団地をめぐる北側との葛藤を和らげるためにも、対北朝鮮ビラ散布の禁止や5・24措置緩和など、南側当局の全般的な関係改善努力を先行させる必要があると助言する。

 チョン・ギソプ開城工業団地企業協会長ら公団入居企業代表団14人は18日、開城工業団地を訪ね、午前11時から2時間ほどパク・チョルス中央特区開発指導総局副総局長ら北側関係者5人と会った。この席で入居企業代表団は建議書を伝達しようとしたが北側が拒否した。建議書には「北側の一方的な労働規定改正はバイヤーと顧客、外国人投資家を含む入居予定企業らの信頼を破ることになり、南北当局間協議を経て確定することで信頼性が大きく向上される」という内容が盛り込まれていた。北朝鮮は建議書こそ拒否したが、企業代表団との面談の雰囲気自体は悪くなかったと伝わる。この日午後4時30分頃、京畿道坡州(パジュ)市の京義線南北出入り事務所(CIQ)に戻ってきたチョン・ギソプ会長は取材陣と会い、「面談過程で企業が体験する困難を(詳細に)伝えた。北側もわが方に説明するなど互いに虚心坦壊に話せた」と語った。

 企業の間では北側が敏感に反応する対北朝鮮ビラ散布中断など南北関係改善措置があれば、開城工業団地の賃金引き上げをめぐる南北葛藤も緩和できると期待している。チョン・ギソプ会長はこの日午前の開城工業団地訪問に先立ち取材陣と会い、「ビラ散布が抑制されれば賃金引き上げなど労働規定問題も簡単に解決されると考える」と指摘した。

 しかし政府は、対北朝鮮ビラ散布と賃金引き上げ問題を連結させることに否定的な反応を示した。イム・ビョンチョル統一部報道官は「対北朝鮮ビラ散布問題と北朝鮮の一方的で不当な賃金引き上げ要求に対するわが政府の対応を結びつけるのは適切でない」と線を引いた。イム報道官は「賃金引き上げ問題はわが方が提案した共同委員会に北側が一日も早く呼応して当局間協議を通じて解決するのが望ましい」とした上で、「開城工業団地閉鎖は全く考慮していない」と述べた。

 専門家からは南北双方の努力を求める声があがっている。イム・ウルチュル慶南大極東問題研究所教授は「北側は対北朝鮮ビラ散布と5・24措置、韓米軍事訓練など、わが政府の対北朝鮮政策に対する不満を開城工業団地労働者の賃金引き上げに変え政策転換を促そうとしている」とし「政府は天安(チョナン)艦5周年で対北朝鮮ビラ散布を積極的に防ぎ、南北関係安定を望むというメッセージを示さねばならない」と強調した。チョ・ポンヒョンIBK経済研究所首席研究委員は「北側は当初の計画より開城工業団地事業の進行が遅れ期待しただけの利益を出せず、外貨確保のために一方的な賃金引き上げを進めている。北側は共同委員会に出てきて対話で解決していくべきだ」と指摘した。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.18 22:21

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/682868.html 訳Y.B

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