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韓中FTA仮署名、開城工業団地で生産される韓国製品の中国進出が可能に

登録:2015-02-25 22:17 修正:2015-02-26 08:20
 現在及び今後生産される310製品に
 「韓国産認定」過去最大規模
ウ・テヒ産業通商資源部通商交渉室長が25日、世宗市政府世宗庁舎で仮署名された韓中自由貿易協定(FTA)に盛り込まれた開城工業団地の条項についてを説明している。ニューシス

 原産地の要件大幅に低くなり
 価格競争力まで備え
 米、EU交渉で肯定的な影響を期待
 中国側が北朝鮮労働力活用する
 羅津·先鋒特区さらに議論の可能性も

 昨年11月の韓中自由貿易協定(FTA)交渉妥結時に比べ、今回の仮署名協定文に含まれた内容の中で最も目を引くのは、開城(ケソン)工業団地(以下開城工団)製品の原産地認定基準が幅広く設定され、品目数も大幅に増えたことだ。開城工団に入居企業にとっては、開城工団で作られた製品を「韓国産」として中国に輸出できる道が開かれたことで、価格競争が有利になった。韓国政府と米国、欧州連合(EU)などの開城工団の域外加工地域交渉にも肯定的な影響を与えると予想される。

 産業通商資源部が25日に公開した韓中自由貿易協定文によると、協定発効と同時に開城工団製品に対して原産地の地位を認める原則に則り、品目数を310個に決めた。品目数は毎年合意により修正できるようにした。先に発効された韓国と欧州自由貿易連合(EFTA)との自由貿易協定において開城工団製品に原産地地位を認めた品目数は276個、韓国とインドの場合は108個、韓国とアセアン及び韓国とペルーの場合は100個であったのに比べ、認定品目数が最も多い。

 原産国の要件も幅広く認めることにした。これに先立ち韓・アセアン自由貿易協定では、最終財価格のうち、非原産国投入(非原産国材料+賃金+輸送費)の割合が40%を超えないものにのみ原産地の地位を認めたが、韓中自由貿易協定では、賃金と輸送費は非原産国投入項目から除外することにした。

 ウ・テヒ産業部通商交渉室長はこれと関連し、「昨年の交渉妥結宣言当時と比較すると、今回はより具体化された。また、開城工団の原産地位については他の自由貿易協定に比べて最も友好的な結果を導き出された。域外加工委員会を設置して(品目を)追加する可能性を残したのも成果」だと述べた。

 開城工団の安価な製品が韓国産として認められる場合、開城工団入居企業は中国市場で価格優位性を確保できる。現在、米国と日本、欧州連合などは、北朝鮮の核問題を理由に、開城工団で作られた完成品を韓国産として認めていない。韓米、韓欧州連合など、5つの自由貿易協定は、域外加工委員会を通じてこれから決めることになっている。このため、これらの国に輸出する製品は、開城工団で半製品や中間財として生産してから、韓国で最終完成しなければ、韓国産として認めてもらえない。原産地規定で韓国産と認められるギリギリの線まで開城工団で加工し、残りは韓国で完成品に加工して韓国産として輸出するのだ。

 韓国政府としては、今後韓米、韓欧州連合など自由貿易協定国との開城工団製品の原産地交渉に、今回の韓中自由貿易協定の条項を梃子として使える余地が生じた側面もある。

 韓中自由貿易協定の開城工団関連条項は、韓国側にとって肯定的な信号に見えるが、逆に中国の羅津(ナジン)·先鋒(ソンボン)経済特区を域外加工地域として原産地に認定する問題が今後の交渉対象として残っており、注目する必要がある。中国企業は羅津·先鋒経済特区で北朝鮮の労働力を活用して委託加工を行っているが、今回の仮署名協定文にこれに関する原産地の規定は含まれていない。産業部関係者は、「中国の羅津·先鋒経済特区の委託加工原産地の問題はまだ議論されていないが、議論の根拠規定と可能性は残されている。開城工団以外の域外加工地域の部分は、今後委員会を設けて交渉することにした。今後地政学的条件を検討し、議論が具体化するだろう」と述べた。

キム・ジョンピル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.02.25 20:01

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/679760.html  訳H.J

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