本文に移動

李明博政権の不正に刃先を向けた特捜部、前大統領まで捜査が及ぶか

登録:2015-03-14 02:26 修正:2015-03-14 06:55
注目される腐敗清算捜査の範囲 
13日、ソウル江南区ポスコ社屋で開かれた第47期ポスコ定期株主総会でクォン·オジュン会長が挨拶をしている。聯合ニュース

 李完九(イ・ワング)首相が「不正腐敗の抜本塞源」を宣言した翌日、検察が裏金疑惑と関連してポスコの押収捜索に乗り出したのは意味深長に見える。発足3年目を迎えた朴槿恵(パク・クネ)政権が社会の全分野にわたる綱紀粛正に乗り出した状況で、検察が担う役割を象徴しているからだ。

 まず、検察が最初の捜査対象にポスコを狙った点に示唆するところが大きい。公企業から民営化されたポスコとKTは、オーナー(大株主)がいないという理由で、政権の風向きに振り回されるしかない会社として知られている。さらに、前政権では、チョン・ジュニャン、イ・ソクチェなど、政権による露骨な天下りが行われた。このため、歴代のどの政権よりも利権と人事をめぐる雑音が高まった。特捜部の捜査は、裏金から始まり政・官界ロビーという上層部に拡大されていく可能性が大きいだけに、一般的な財閥企業とは異なるポスコへの捜査の場合、前政権を狙うのではないかという「合理的な推論」が可能となる。

 検察の注目すべき動きはこれだけではない。最近前政権のアキレス腱になる可能性が高いとされる資源外交事件をソウル中央地検特捜1部(部長イム・グァンヒョク)にすべて任せる再配分を行ったことが、検察周辺に大きな意味を与えている。カナダ石油会社ハーベストを買収する過程で1兆ウォン台の損失を負わせた韓国石油公社カン・ヨンウォン前社長を監査院と市民団体が告発した事件は調査1部が、市民団体が告発した韓国ガス公社、韓国鉱物資源公社と関連した資源外交告発の件は刑事6部が担当していた。

 李明博政権当時のポスコ チョン会長
 天下り問題に、利権めぐる議論も大きく
 資源外交は「実力者」イ・サンドクなどと関連
 防衛事業不正も前政権と関連

 刑事部と調査部は、一般的な事件を処理しなければならないため、主要事件だけに専念するのが難しいが、特捜部ではあらゆる能力を一挙に投入した集中捜査が可能だ。2013年当時、ソウル中央地検特捜1部(部長ヨ・ファンソプ)は「4大河川事業不正疑惑」と関連して、国内の主要な建設会社を対象に厳しい調査を行ったが、今回も資源外交と関連した公企業を対象に「集中捜査」が行われる可能性が大きい。偶然にも資源外交もまた、イ・サンドク前議員とパク・ヨンジュン元知識経済部第2次官など、前政権の実力者たちが主導しており、捜査の行方にさらに大きな関心が集まる。

 防衛事業不正・政府合同捜査団(団長キム・ギドン、以下合同捜査団)も前政権に対する不正捜査に加わる様子だ。合同捜査団は、約100日間、賄賂及び供与の疑い13件、文書偽造および変造4件など、23人を裁判にかけてきた。チョン・オククン元海軍参謀総長など将星級予備役5人、現職領官級将校も4人含まれている。合同捜査団は、12日イ・ギュテ イルグァングループ会長の逮捕状を請求し、武器仲介事業へ捜査の矛先を向けた。数百億から数千億ウォンに達する武器仲介事業は、ほとんど国防部と政府関係者の息に左右されるので、イ会長に対する捜査の行方によっては、捜査がどこに向かうのか予測できない状況だ。さらに、イ会長が事業を大幅に拡大した時点は、2007年以降であることが知られている。検察は、イ会長拘束後、彼が別に得た金の行方を徹底的に追及する構えだ。

 一連の捜査を総括するパク・ソンジェ ソウル中央地検長が特捜専門である上に、生真面目な原則主義者として知られているという点も観戦ポイントだ。彼は6日、大検察庁(最高検察庁)で行われた全国検事長会議で「社会指導層の不正対応策」を発表した。彼は「官民癒着と企業会計不正で犯罪利益を得る行為」を「社会指導層の不正」と規定して、これに対する徹底した捜査に乗り出す意向を明らかにした。

ノ・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.13 19:37

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/682195.html  訳H.J

関連記事