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[週刊ハンギョレ21] 雨後のたけのこ式に増殖する総合編成チャンネルのパネラー(1/3)

登録:2015-03-10 20:54 修正:2015-03-15 09:18
出演はひと月150回

 総合編成“低コスト・高効率”な時事・報道番組が増加
 番組を満たすパネラーが“雨後のたけのこ”式に増加…
 パネラーの保守偏向に重複出演、評論の“質的低下”も

総合編成チャンネルで少なからぬ収入を得ている評論家・パネラーがいる。 (上から)ファン・テスン政治評論家、キム・ソンウク韓国自由連合代表、ベク・キジョン元水西警察署強力チーム長が総合編成に出演している姿。テレビ画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 最近ある時事評論家は、総合編成チャンネル(総合編成)に専門家パネラーとしてよく出てくる人物の出演回数を聞いて驚いたという。 この人物が総合編成だけで月に150回以上出演したことがあると話していたからだ。 総合編成4社とニュース専門チャンネル2社の時事番組やニュース番組の“無作為的な渉外対象”になったという話だ。 総合編成の内部でさえ「あるパネラーは週末もなしに、あっちの総合編成、こっちの総合編成とバッタみたいに跳び回っている」という声が出ているのも理由のないことではない。 総合編成出演料で月に1千万~2千万ウォン(1円=9ウォン)を稼ぐ高所得パネラーも登場した。 総合編成のニュースや時事番組出演料は10万~20万ウォン台だ。 認知度が高い出演者は20万~30万ウォンを受取る。 放送界はTV朝鮮、チャンネルAの出演料がJTBCやMBNよりやや高いと伝えている。

■ 総合編成チャンネルとパネラーの共生関係が生み出した現象

 別の評論家は、収入が保障される総合編成への出演が多くなり運転手を雇った。 重複出演が増えるにつれ、移動時間を短縮するためだ。 一部の弁護士も、総合編成出演が主な業務になってしまったかのように忙しくなった。 2月26日、総合編成の常連パネリストとして浮上したある弁護士の事務室に電話をかけたが、通話できなかった。 「弁護士が放送出演中」という理由だった。 そういえば電話をかけた時間が、総合編成の時事番組が様々なパネラーを呼んで競って放送する午後の時間帯だった。

 総合編成で評論家・パネラーの“雨後のたけのこ時代”が始まっている。 これは、総合編成とパネラーの共生関係が生み出した現象だ。 総合編成は開局以来、ドラマや芸能番組より出演料・制作費が安く、かつ“忠誠視聴者層”を引き込める時事・報道番組を、先を争うように増やしてきた。 持続的な放送で認知度が高くなった時事番組も生まれた。 総合編成の“低コスト・高効率番組”となったのだ。 放送委員会副委員長出身のチェ・ミニ新政治民主連合議員は「総合編成の時事番組は、1%の総合編成熱烈視聴者層を対象にしながら、世論の拡散と扇動の拠点・根拠地の役割を果たしている」と評した。

 時事・報道番組の増加は、自然とその時間を埋めてくれるパネラーの増加をもたらした。 総合編成の製作陣が、限られた評論家グループを脱して新たな顔を探そうとする隙間から浮上した職群が弁護士だ。週刊ハンギョレ21と民主言論市民連合(民言連)が1月5日~2月1日に放送された総合編成4社(TV朝鮮、チャンネルA、MBN、JTBC)の16の時事番組に出演したパネラー190人を分析した結果、弁護士が25人だった。 単一職業としては、客員・研究教授まで広く含めた教授職群(39人)に次ぐ数だった。

 総合編成の時事番組を担当するある司会者は「弁護士が事件や事故に関する法律的評価を行なうことができる上に、達弁家が多く、速報ニュースにもよく対応できる」と話した。 政党経験がない弁護士たちの場合、政派色が明確でないことから、様々な懸案に対し発言を要求することから来る負担が少ないという利点もあるという。 総合編成に比較的多く出演した弁護士は「総合編成で(2013年9月以降)蔡東旭(チェ・ドンウク)検察総長の婚外子報道が一斉になされた時、弁護士たちに対する出演オファーが一時的に増え、昨年の(セウォル号事故後)兪炳彦(ユ・ビョンオン)元セモグループ会長に対する検挙作戦と死亡当時には、総合編成の弁護士出演提案が狂ったように続いた」と話した。 視聴者の視線をつかめる総合編成の扇情的素材と弁護士の“法律的な論評”とが、放送という公共財において出会ったのだ。

ソン・ホジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/680739.html 韓国語原文入力:2015/03/05 00:17
訳A.K(1993字)

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