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[週刊ハンギョレ21] 雨後のたけのこ式に増殖する総合編成チャンネルのパネラー(2/3)

登録:2015-03-10 20:57 修正:2015-03-15 09:21

認知度上昇を期待する弁護士たち、総合編成へ

総合編成チャンネル4局のロゴ。//ハンギョレ新聞社

 総合編成出演で認知度上昇を期待する弁護士たちの利害関係も作用している。 大型ローファーム所属でなければ安定的な高収益の維持が容易ではないためだ。 パネラーとして顔が知られるようになれば、総合編成チャンネルと地上波のバラエティ番組へ舞台を広げることができる。 司会者役まで手に入れたある弁護士は、固定のバラエティ番組で1回当たり300万~400万ウォンの出演料を受取っているという。 別の総合編成チャンネルのある記者は「ある離婚問題専門の弁護士は、総合編成出演で弁護士業務の収入が増えたそうだ。 個人営業のレベルだけでなく、政界進出を狙う弁護士たちにとって、総合編成出演は認知度を高める機会になる」と話した。

 問題は、出演回数が多くなる“量の増大”が専門家評論の“質的低下”を同伴するという点にある。 総合編成でパネリストたちが、非専門分野のテーマにまで論評をあれこれ並べる現象も極く普通のことになりつつある。週刊ハンギョレ21と民言連の今回の分析で、1月の1カ月間、総合編成の時事番組に52回出演したある弁護士は、「野圏再編」「千正培(チョン・ジョンベ)元長官の4月の補欠再選挙や新党に関する言及」「朴槿恵(パク・クネ)大統領・金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表の年頭記者会見」「大統領府の門番3人組留任の理由」など、政治関連のテーマにもパネラーとして出演した。 総合編成出演オファーが殺到するある政治評論家は、「朝鮮族殺害事件」「デパートでの“カプ(甲)チル母娘”の波紋」(訳注:カプチルとは、社会的弱者(乙)に対する強者(甲)の特権意識から来る行動を指す言葉)「中学生と会社員の集団乱闘」「映画『国際市場』のコップニネの店が廃業の危機」など、政治評論と無関係なテーマにも自分の批評を加えた。 彼は「歌手クララの性的羞恥心事件」といったテーマにまで政治評論家のタイトルを活用した。 警察分野専門のある教授は「ロッテ一族の経営構図」「セヌリ党院内代表選挙」「整形韓流ブーム」のように自分の専門分野とは異質のテーマにもパネラー出演を厭わなかった。 セヌリ党出身のある政治評論家は、俳優ソン・イルグクのマネージャー問題と歌手ボビー・キムの機内騒動事件についてもパネラー席に座って批評した。 今回の調査で、総合編成4社の時事番組出演回数上位20位以内に入る出演者たちの発言テーマ(計1132件)を分析してみると、自己の専門分野のテーマ(593件・52.4%)と非専門分野のテーマ(539件・47.6%)に対する発言が50対50に近かった。

 ある総合編成の報道局記者は「昨年、あるパネラーが総合編成に出て、午前は兪炳彦(ユ・ビョンオン)元会長関連、午後はW杯関連、夜には野党の安哲秀(アン・チョルス)、キム・ハンギル関連のテーマについて語るのを見て、『世の中のことは何もかも、知らないことはないな』という気がした。 これはジャーナリズムに対する侮辱だ」と話した。 総合編成が制作費を節約するためにテーマに合った専門家を広く渉外せずに、パネラーに“一人多役”を注文する製作慣行に伴う結果だという指摘も多い。

ソン・ホジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr) )
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/680739.html 韓国語原文入力:2015/03/05 00:17
訳A.K(1500字)

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