最大300万ウォン(約33万円)まで直ちに貸し出し、担保・利子なし、6カ月後から1年間均等償還。
貧困のため数百万ウォン(数十万円)の罰金を払えず労役につかなければならない人に罰金代を貸し出す「ジャン・バルジャン銀行」が25日スターとした。社会に特に害にならない軽犯罪で罰金刑を宣告され、罰金を支払うことができない少年少女だけの家庭、基礎生活受給者、次上位階層(年収が最低生活費の100~120%以下の階層)、未成年者などが貸し出し対象となる。銀行名は飢えた姉のこどもたちのため一切れのパンを盗んで投獄された小説『レ・ミゼラブル』の主人公の名前から取った。
“人間信用銀行”であるジャン・バルジャン銀行の運営スタッフは25日午前、ソウル獎忠(チャンチュン)洞のマンヘNGO教育センターで記者会見を行い、運営ならびに貸し出し計画を説明した。「私たちの社会で貧困はそれ自体が処罰だ。ジャン・バルジャン銀行を通じて金で自由を奪われる世の中を少しでも防げればと思う」。銀行顧問はカン・ウイル天主教済州教区長、銀行長は協同組合「カジャンジャリ」のホン・セファ理事長が引き受けることになった。
罰金を宣告されれば30日内に全額を現金一括で支払わなくてはならない。分納制度や一時延長制度もあるが「特別な理由」がある場合にだけ例外的に認められる。罰金を支払えず労役場に入る(換刑留置)人は毎年4万人前後に達する。銀行運営委員のソン・ヨンサム元光州地方更生庁長は「罰金を払えず労役に代える人には庶民が多い。彼らのほとんどが健康状態も悪く、刑務所が受け入れた後に管理費用が余計にかかったりする。ジャン・バルジャン銀行の貸し出しを通じ、社会から隔離されず自分の能力の限り仕事を探せたらと願う」と話した。
銀行の貸し出し資金は市民の募金で充当される。この日現在645万ウォン(約70万円)が集まった。貸し出し審査委員のオ・チャンイク人権連帯事務局長は「1000万ウォン(約110万円)集まれば支援事業を始める」と述べた。殺人、強盗、性的暴行、わいろ事件、常習犯、集会やデモの罰金は貸し出し対象から除外される。募金口座はハナ銀行388-910009-23604(預金者ジャン・バルジャン銀行)だ。
一方でヨーロッパのように同じ犯罪でも所得が多いほど罰金を高くする方式(日数罰金制、所得累進罰金制)が必要だという意見も出されている。昨年、日当5億ウォンに達する特権的な“皇帝労役”問題が起きたが、大多数の庶民は日当5万ウォン(約5500円)の労役を科される。同銀行の貸し出し審査委員のチェ・ジョンハク放送通信大法学科教授は「国税庁課税資料だけでも財産状態は簡単に把握できるのだから、現行罰金制度を変え不平等を是正しなければならない」と指摘した。
韓国語原文入力:2015.02.25 22:10