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[ニュース分析]セヌリ党院内代表選で親朴系惨敗…レイムダック化に拍車

登録:2015-02-02 21:09 修正:2015-02-03 15:45
ユ・スンミン(非朴)がイ・ジュヨン(親朴)に圧勝…ユ新任院内代表「主な政策は党が主導すべき」
新任院内代表に選出されたユ・スンミン セヌリ党議員(右)が2日午前、国会で開かれた議員総会でキム・ムソン党代表の祝福を受けている。キム・ギョンホ先任記者 //ハンギョレ新聞社

 党主導の国政運営を掲げたユ・スンミン(57・3選・大邱東乙)議員が、セヌリ党の院内指令塔になった。 ユ院内代表は2日、国会で開かれた党院内代表選挙で海洋水産部長官を務めたイ・ジュヨン議員に議員投票数84対65で圧勝した。 大統領府との関係で「緊張の中の協力」を強調したユ・スンミン院内代表が、議員からの圧倒的選択を受けたことにより、今後の党と大統領府の関係と福祉や増税など政府の政策基調に大きな変化があると予想される。

 ユ新任院内代表は競選で党と大統領府の関係について「大統領選挙の公約を守り総選挙で勝利するためには主要政策は党が主導しなければならない」と明らかにした。 彼は現政権の“増税なき福祉”基調に対しても「重負担・重福祉に進むための議論を始めなければならない」と反旗を翻してきた。 改憲についても「議論自体を阻んではならない」とするなど、大統領府に引っ張られてきた現行の構造を破ると明らかにした。 セヌリ党関係者は「このままでは来年の総選挙で死ぬという議員たちの危機感がユ・スンミンを選択させた」と話した。

セヌリ党院内代表・政策委議長選挙戦結果。 //ハンギョレ新聞社

 ユ院内代表はこの日、当選直後にもこのような基調を繰り返し強調して「党が本当に民心を厳粛に受け入れて、確実な変化をもたらす」と話した。 彼は朴槿恵(パク・クネ)大統領に対しても「この2年間を振り返って自ら感じていることも多いと思う」として「3年の残余任期を通じて成功の道を進むには党、政府、大統領府が対話しなければならない」と話した。

 ユ院内代表の当選について党周辺では「朴大統領のレイムダックの開始が確認された」と評価されだしている。朴大統領は昨年末の“秘線”(隠密の)実力者国政介入問題に続く中心支持層の離脱などで支持率が急落、年末調整と健康保険料改編論議などの政策の乱れを経て、今回の選挙を通じて党議員から徹底して“拒否”された。 “朴心”(朴大統領の意中にある人)問題を甘受したファン・ウヨ、チェ・ギョンファン、キム・ヒジョン長官など国務委員までが選挙投票に参加したが、議員の心は覆らなかった。 ある首都圏の重鎮議員は「ユ・スンミン議員が勝ったのではなく、朴槿恵大統領が負けたということだ」とし「朴大統領のレイムダックが確実になった」と話した。

 これに伴い、党、政府、大統領府の関係と、主要政策立案と推進過程に党の声はより一層大きくなるものと予想される。 特にユ・スンミン院内代表が非朴槿恵系のキム・ムソン党代表と“戦略的提携”をする場合、こうした流れが加速するものと見られる。 この日63回目の誕生日を迎えた朴大統領としては、誕生日の祝膳に“苦汁”を受けたわけだ。

 大統領府はユ議員の院内代表選出に対して公式的な反応を出していない。 ユン・トゥヒョン大統領府広報首席が選挙結果が出る前に「院内指導部が選出されれば党、政府、大統領府の協議を通じて、政策をよく調整して国民に心配をかけることが無いようにする」として原則的な立場を明らかにしたのみだった。

 だが、内部的には今後の容易ではない党と大統領府の関係を予告した今回の選挙結果を負担として受けとめる雰囲気が歴然としている。 ユ議員側に戦況が傾いたという気流を把握していたものの、ユ議員への支持を通じて対等な党と大統領府の関係を要求する議員の数が予想より多く出たことに対しても困惑している。 大統領府参謀の間からは「与党代表と与党院内代表が結局“手帳”問題で登場した“KY”(キム・ムソンとユ・スンミン)ラインで現実化された。 執権3年目は順調ではなさそうだ」と展望され始めている。

 朴大統領はこの日、参謀を呼んで昼食をしたこと以外には特別な日程をこなさず、今後の人事と党と大統領府の関係再整備のための後続措置などを点検したという。

 今週中にも予想されている後続人事で朴大統領がどんな収拾策を提示するかが最大の関心事だ。 不十分な大統領府組織改編と最近相次いだ政策混乱のため国政支持率が最低値を更新している状況まで加わる。朴大統領としては円満な党と大統領府の関係のためにも危機を突破する特別なカードを出さなければならないという圧迫を感じざるをえない。 キム・ムソン ユ・スンミン体制に対応した疎通できる政務特別補佐団の構成が“足下の火”となる。セヌリ党のある要人は「キム・ギチュン秘書室長の交替はあまりにも当然な前提なので、それでは糸口にはならない。予想もつかない果敢な決断を朴大統領がしてこそ克服できる非常事態」と診断した。 キム・ヒョンジュン明知大学教授は「朴大統領が残る任期の成功のためには、親朴系の聖骨にばかり依存してきた人材プールを一気に広げて、直接党と共に政策調整に乗り出すなど果敢な変化を見せなければならない」と話した。

ファン・ジュンボム、ソク・ジンファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/02 19:32

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/676462.html
訳J.S(2264字)

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