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総理候補イ・ワングが40年前から抱いた“大きな夢”とは

登録:2015-01-25 21:53 修正:2015-01-26 07:51
自身の兵役疑惑を解消するため
自宅にレントゲン写真を50年間保管
イ・ワング国務総理候補者が聴聞会準備のために25日午前、通義洞の金融監督院研修院への出勤途上に記者たちの質問に答えている。 カン・ジェフン先任記者 //ハンギョレ新聞社

“兵役免除”の次男に
「今撮影しても鉄芯が出てくるか」確認
息子の留学費と贈与税2回出す
予想外の問題が起きるかもしれない

 「ずっと前から“大きな夢”を抱いてきた人だから…」

 イ・ワング前セヌリ党院内代表(64)が国務総理候補者に指名された日に政界から出た反応だった。 それを証明するかのようにイ候補者は23日に総理候補に指名された直後、相次いで提起された各種疑惑に対し24~25日の二日かけ50年前の医療記録まで公開して説明に乗り出した。

 イ候補者が自身の兵役疑惑を説明するために出した脚のレントゲン写真2枚は、イ候補者が14歳と25歳だった1964年と1975年に撮られたものだ。イ候補者は徴兵身体検査でいわゆる偏平足変形を招く「副舟状骨症候群」(足首にある舟状骨の一部がつかずに副舟状骨という骨がもう一つできる症状)を理由に、補充役招集判定を受け1976年5月から1977年4月に満期除隊したと明らかにした。 イ候補者はこれを証明する放射線写真を50年間自宅に保管してきたという。

 イ候補者はまた、次男の兵役免除疑惑に関連し、2004年に米国ミシガン大学病院で膝の手術を受けた当時の記録と鉄芯が打ち込まれた放射線写真を24日公開した。イ候補者側は現在、法律事務所キム&チャンの弁護士として仕事をしている次男が2000年8月の徴兵身体検査で現役である3級判定を受けたが、その後、米国留学中の2004年10月にサッカーの試合をして右膝前方十字靭帯が完全断裂したと明らかにした。2005年7月に実施した2次および3次の徴兵身体検査で“不安定性大関節”との理由で4級判定を受け、2005年12月にミシガン大学病院で断裂した軟骨と靭帯に対する手術を受けたという。 イ候補者は総理説が出回った昨秋から次男に対して「病院の記録を全て持っているか。今、放射線撮影をしても鉄芯が出てくるか」と確認を繰り返したという。

 イ候補者は次男がキム&チャンの前に勤めていた米国系法律事務所ポール&ヘイスティングスで受け取った3年分の給与明細書も公開した。イ候補者が義父から2002年に贈与された約18億ウォン(約2億円、1ウォンは0.11円)の京畿道の土地に対する税金負担能力がなく、高額年俸を受け取っている次男に2011年に贈与したことを強調するためだ。当時イ候補者は道知事から退いて収入がない状況であったし、次男は2~3億ウォンの年俸を受け取っていたため、贈与を受けることにし、その土地に対する贈与税(5億2000万ウォン)と財産税を現在も分納しているということだ。 イ候補者はしかし、昨年公職者財産申告時に次男の財産を非公開にした。 イ候補者は「独立的生計を維持しているため」と説明した。

イ・ワング国務総理候補者の聴聞会対応準備を支援しているセヌリ党キム・ジェウォン院内首席副代表が24日午後、ソウル鍾路区世宗路の政府ソウル庁舎でブリーフィングを開き、イ候補者の次男の兵役免除と関連してレントゲン写真を示して説明している。キム院内首席副代表はこの日、聴聞会の準備状況と争点について説明した。 連合ニュース

 イ候補者の弟が2001年に天安(チョナン)市のアパート施工事業と関連して弁護士法違反の疑いで拘束されたことに対しても、イ候補者は「当時の起訴状に『道知事のイ・ワングの反対にも関わらず』と明示されている」として、自身とは無関係であることを強調した。

 イ候補者の“準備された姿”はこの他にも多数ある。 彼は40年前に公職生活始めた時の最初の給与明細書を今も保管している。 忠清南道知事時期には道庁移転予定地である洪城(ホンソン)に曽祖父が日帝時代の1934年に父親に譲った土地があることを後になって知り、補償金を国庫に帰属させたという。道知事時代には長男の結婚式はもちろん、義母の葬儀もマスコミに知らせなかったというエピソードがある。そのことで今も妻の実家とは仲が良くないという。

 2011年当時、二人の息子の米国留学費を送金し、二回贈与税を納めた話も有名だ。 当時イ候補者は、二人の息子の米国留学費5600万ウォンを贈与としてみなし、それに対する贈与税310万ウォンを税務署に納めた。 イ候補者は税金納付を終えた帰り道に「息子の贈与税を代わりに納めることも贈与」という判断に至り、310万ウォンに対する贈与税20万ウォン余を追加納付したという。

 イ候補者は普段から私席でこのようなエピソードを紹介して「私が見ても潔癖症のようなところがある。 他の人々が聞けば笑うだろうが、公職者生活ということはそれほど慎重にすべき」と話してきた。 そのため、政界ではイ候補者が公職入門時から総理以上のもっと大きな夢を抱いてきたのではないかという話が広まっている。 もちろん、来月初めころに予想されるイ候補者の国会人事聴聞会で予想外の伏兵が出てくる可能性はある。

ファン・ジュンボム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/675091.html 韓国語原文入力:2015/01/25 14:28
訳J.S(2313字)

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