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金正恩第1書記、オバマ米大統領の「北朝鮮崩壊」発言を猛非難

登録:2015-02-01 22:38 修正:2015-02-02 08:45
米空母想定した打撃訓練参観
米国はソン・キム代表の訪朝に否定的
関係冷却の可能性...南北関係に悪影響
北朝鮮、金正恩労働党第1書記が咸鏡南道元山にある靴工場を訪問し完成された製品を確かめている。朝鮮中央通信は31日、この写真を報道した。朝鮮中央通信、連合ニュース

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党第1書記が、バラク・オバマ米大統領の「北朝鮮崩壊」発言に対し、「狂犬とはもはや対座するつもりはない」と話した。また、「私たちは常用武力による戦争(在来前)や核戦争を含め、米帝(米帝国主義)が選ぶいかなる戦争にも対応できる万全の準備ができている」と明らかにした。3月に「キー・リゾルブ」韓米合同軍事訓練を控え、対米強硬基調を明確にしたものとみられる。

 金第1書記は米空母に対応し空中と水中から攻撃する海・空軍連合打撃訓練を参観し、こう話したと31日に朝鮮中央通信が報じた。今回の訓練は、米空母を空軍の戦闘機と海軍潜水艦の連合部隊が続々と空爆と魚雷攻撃を通じて破壊する方式で進められた。韓国政府筋は1日、「今回の訓練場所は東海元山(ウォンサン)沖合いで23日、西海訓練に続く2回目の米国の空母を想定した打撃訓練」だと述べた。

 金第1書記は訓練で「社会主義制度を何らかの“変化”の方法で“崩壊”させると公の場で吠えている狂犬とは、もはや対座するつもりはない」と強調した。朝鮮中央通信は「米帝が私たちの尊厳と自主権、生存権を0.001ミリでも侵すなら、米国本土が恐ろしい惨事に見舞われることになるだろう」と主張した。北朝鮮は1月9日に発表した韓米合同軍事訓練と核実験の一時停止の提案を米国が一蹴したのに続き、オバマ大統領が北朝鮮崩壊に言及したことを受け、対米強硬姿勢に転じたと分析される。

 また、北朝鮮は1日、「最近、ソン・キム米国務省対北朝鮮政策特別代表を平壌に招いたが、米国側が拒否した」と主張し、これを公開した。これも北朝鮮の強硬基調転換に影響を及ぼしたものと見られる。北朝鮮外務省スポークスマンはこの日、朝鮮中央通信記者と問答形式で、「米国はその(招待)については無視しておいて、会話が行われていない責任を私たちに転嫁しようとしている」とし、「私たちは、人民が選択した思想と制度を削除しようとする相手とは対座する必要性を感じない」と伝えた。ソン・キム代表が先月30日、中国北京で開いた記者会見で、米国が北朝鮮に直接対話を提案したが、訪中期間北朝鮮側と接触できなかったことを示唆する発言をしたことに対する反論と見られる。米政府は、北朝鮮との対話の可能性は開いている立場だが、ソン・キム代表の平壌訪問については時期尚早とし否定的であると伝えられている。

 金第1書記が直接対米対決を強調し、北米対話の実現に向けての接点が見つからないことから、当分の間、北米関係は冷却化に向かうと思われる。特に韓米合同軍事訓練を前後に、北朝鮮が対抗して軍事行動の水位を高める可能性があるという見通しが出ている。チャン・ヨンソク ソウル大学統一平和研究院専任研究員は、「キー・リゾルブとイーグル訓練が終わる4月まで朝鮮半島で軍事的危機が高まるだろう」とし、「北朝鮮は短・中距離ミサイルなど利用可能な資源を動員して対応するだろう」と述べた。このような状況は、対話への入り口を前に立ち竦んでいる南北関係にも悪影響を与える可能性がある。

ソン・ウォンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.02.01 20:45

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/676346.html 訳H.J

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