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米オバマ大統領の一般教書演説、今年も「北朝鮮」言及なし

登録:2015-01-21 23:41 修正:2015-01-22 07:37
ハッキング言及しながらも、北朝鮮を特定せず
「対話局面に向けての布石」との分析も
北朝鮮問題、優先順位から後退したのではとの懸念も
バラク・オバマ米大統領が20日、ワシントンの国会議事堂で年頭の国政演説をする途中、ジョー・バイデン副大統領(左)が立って拍手するなか、ジョン・ペイナー下院議長(共和党・右)は座ったまま聞いている。 ワシントン/AFP聯合ニュース

 バラク・オバマ米大統領は20日(現地時間)行われた一般教書演説で北朝鮮を具体的に言及しなかった。対北朝鮮制裁は維持するものの、北朝鮮を刺激することなく、今後の対話局面への状況の変化まで念頭に置いた多目的の布石ではないかという分析が出ている。

 オバマ大統領は演説で「いかなる外国やハッカーも、私たちのネットワークをシャットダウンさせたり営業秘密を盗み、子供たちを含む家族のプライバシーを侵害することはできない」と述べた。 ソニー・ピクチャーズをハッキングしたとされる北朝鮮を非難しているようだが、北朝鮮を特定することはなかった。また、このような言及は”北朝鮮バッシング”よりも、オバマ政権が政権後半期における国政の中心課題に掲げた「サイバー安保」の必要性を強調するための側面が大きいものと見られる。オバマ大統領は12〜13日、サイバー犯罪対策とサイバーセキュリティ法案などを相次いで発表した。

 韓国政府の中でも、今回の演説で北朝鮮が取り上げられていない点を比較的に肯定的に解釈しているようだ。オバマ大統領の一般教書演説を控え、ソニー・ピクチャーズのハッキング事件などで議会など米国内の対北朝鮮世論がかなり悪化していたからだ。政府当局者は「オバマ政権は、圧迫や制裁を必要以上に強化する考えはないものと思われる」とし、「北朝鮮に(反撃の)口実を与えることなく、対話を誘導してみようという意味で解釈される」と述べた。

 しかし、オバマ大統領が対話に向けて北朝鮮にもっと積極的なメッセージを送らなかったのは残念だ。キューバやイランに明確な和解のメッセージを送ったのとは距離があるからだ。オバマ大統領は、キューバについては、「50年間維持してきた政策が機能しない今、新しいことを試みなければならない時点」だとし、米国とキューバとの関係正常化に反対する共和党に向かって反論した。イランの場合も核プログラムの開発が中止され、核物質が縮小されたことを核交渉の成果として挙げた。政界の一角では、今回の一般教書演説がこれまで「総体的失敗」として批判されてきた外交・安保政策の防衛に焦点を当てており、特別な外交的成果がない北朝鮮を取り上げるのが負担になったはずだという評価もある。

 しかし、今回も北朝鮮が言及されておらず、オバマ政権の「業績作りリスト」の優先順位から北朝鮮と韓半島問題が後退したのではないかという懸念も出ている。オバマ大統領は昨年1月に行った一般教書演説でも北朝鮮については触れず、新たな外交ドクトリンを提示した5月のウェストポイント演説、9月の国連総会の基調演説でも北朝鮮を取り上げなかった。

イ・ヨンイン記者、ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.21 20:15

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/674690.html  訳H.J

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