本文に移動

弘大や明洞など観光名所で中国資本がらみ無許可宿泊業者が横行

登録:2015-01-28 21:53 修正:2015-01-29 07:31
外国人観光客が28日昼、ソウル麻浦区東橋洞の住宅街にあるゲストハウスから出て、空港鉄道弘大入口駅に向かって歩いている。キム・ソングァン記者 //ハンギョレ新聞社

ワンルームだと思って契約したのに…
観光客向け大部屋ゲストハウスが乱立
摘発されても罰金200万ウォンに過ぎず
被害業者「誰が法を守るものか」

 ソウル麻浦(マポ)区 城山(ソンサン)洞に暮す会社員イ氏(40)は、近頃中国人観光客(遊客・ユーカー)と同じ建物に暮している。イ氏が住んでいる4階建てワンルームの建物の一部がゲストハウスに転用されたためだ。 遊客たちが夜中に酒を飲んで廊下で騒ぎ生活をめちゃくちゃにされたという。

 「建物のオーナーが入居者に何も言わずに1フロア5部屋の中央3部屋をゲストハウスとして使ったのです。ワンルームだと思って契約したのに」

 2013年5月からイ氏が暮らすワンルームの建物が“ゲストハウス化”したのは昨年7月だ。「ひどく騒がしいので中国語で「どうか廊下で騒がないで欲しい」と書いて廊下に貼ったが誰かに剥がされてしまいました」。建物のオーナーに何度も抗議したが、答えは「そんなに嫌なら引っ越せ」という通知だったという。

 年間中国人観光客600万人時代になり、遊客が多く訪れる弘益大学周辺や明洞などソウルの中心部で、ワンルームやオフィステルをゲストハウスとして運用する無許可宿泊業者が幅を利かしている。 ワンルームやオフィステルを“外国人観光都市民宿業”に該当するゲストハウスとして運用することは不法行為だ。 一般家庭の空室を活用して外国人観光客に韓国の生活文化を知らせるという趣旨に部屋が一つしか無いワンルームはそぐわないためだ。

 麻浦区の場合、区庁に登録されたゲストハウスは計163カ所だ。麻浦区庁は未申告状態で不法営業をしているゲストハウスを、登録業者より多い約200カ所と把握している。 ゲストハウス予約サイトで検索してみると、地下鉄2号線の弘大入口(ホンデイプク)駅の2、3番出口付近だけで16業者が区庁に申告もせずに営業している。ほとんどがワンルームやオフィステルの建物をゲストハウスに変えて不法運営している業者だ。 周辺のワンルーム需要が飽和状態になり空いているワンルームをゲストハウスに転用して運営するケースが多いという。ある業者の代表は「ワンルーム空室にしておくよりは急増した遊客を対象にした宿泊施設に変えた方がいい」と話した。

 不法ゲストハウスは宿泊業者に要求される安全基準を充たしていないケースが多い。 火災保険に加入しておらず、消火器など基本的な防火設備さえ備えていない所もある。 麻浦区文化観光課は「無認可宿泊施設なので防火と衛生関連規定の適用を回避しているメースが多い。特に防火など安全については全般的に脆弱だ」と話した。

 許可を受けてゲストハウスを営んでいる業者たちは被害者だ。 弘益大学付近の西橋(ソギョ)洞で合法ゲストハウスを営んでいるイ氏(48)は「ワンルームに観光客たちが押し寄せて、お客が大幅に減った。ワンルーム ゲストハウスは不法であるため税金も納めていない。 取り締まりに引っかかっても税金より少ない罰金さえ出せば済むのだから誰が法を守るものか」と話した。 不法ゲストハウス事業主には200万~300万ウォン(約30万円)程度の罰金が賦課される。

 不法ゲストハウスが乱立する背景には“中国資本”があるらしい。ソウル東橋(トンギョ)洞でゲストハウスを営むキム氏(48)は「弘大一帯に最近開業したゲストハウスは、全て富裕な華僑資本が作ったものだ。 結局、中国人の間でお金が回っている」と主張した。

 ソウル市観光政策課は「1年に2度、文化体育観光部、警察、区庁が合同取り締まりを行うが、雨後の筍のように不法業者が生まれているため取り締まりが難しいのが実情だ。 取り締まり回数を増やすなど対策を強化する計画」と話した。

オ・スンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/675746.html 韓国語原文入力:2015/01/28 21:01
訳J.S(1810字)

関連記事