米国の高高度防衛(THAAD・サード)ミサイルの韓国配置問題がしばらく水面下に潜伏するものと見られる。マーク・リパート駐韓米大使は27日、外交部出入り記者団と赴任後初めての懇談会を持ち、サード配置に関連する質問に「我々の韓国のカウンターパートと協議する急で差し迫ったイシューではない」と明らかにした。リパート大使は「サードに関連する公式的な交渉はまったくなかった」とし、「大統領府、外交部、国防部などすべての会合においてこの問題が提起されたことは一度もないと記憶する」と話した。
彼は「ある(軍事的などの)能力を韓国に導入する場合は緊密に政府と協議する」としたうえで、「サードはまったくそうした時期にない。下すべき決定もない。これは問題でもない問題」と強調した。
しかし彼は「サード自体の評価をするならとても良いシステム」としつつ「アジア・太平洋地域の米国のハブとなるグアムの様々な資産を保護するためにグアムにサードを配置した」と評価した。
リパート大使は中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB・投資銀行)への韓国の加入問題に関し、「韓国が決定することだが米国の立場としては銀行は基準が高くなければならない。環境や透明性のような分野でレベルを高めなければならない」と既存の立場を再確認した。習近平中国主席は昨年7月の訪韓時に朴槿恵(パク・クネ)大統領に韓国の投資銀行への加入を直接提案したが、米国は中国中心の投資銀行支配構造の問題などを挙げ否定的な意向を明らかにしてきた。
リパート大使は年末年初の南北関係改善の動きに対し、「朴大統領が提案した南北対話の速度と範囲について憂慮はしていない」とし、「ワシントンとソウルの間に食い違いはないと考えており、韓国政府に我々は自信を持っている」と話した。しかし彼は、いわゆる“従北”問題で米国に強制出国されたシン・ウンミ氏に国家保安法を適用したのは表現の自由を制限することだと指摘した米国務省の発言について「国務省に尋ねなければならない」と即答を避けた。
韓国語原文入力:2015.01.27 22:17