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核にミサイル、相次ぐ米韓発北朝鮮報道は戦作権延期正当化の情報操作?

登録:2014-11-07 09:22 修正:2014-11-07 11:18

米司令官の「核弾頭小型化」に続き
「寧辺に新たなウラニウム工場稼動」
「東倉里発射台で2倍の建て増し」

 先月末に韓米が戦時作戦統制権(戦作権)の移管を再延期することで合意した後、北朝鮮の核やミサイルに関連した情報がマスコミを通して次から次と報じられている。戦作権転換再演期に対する批判を交わすのと同時に、サード(THAAD・高高度防御ミサイル)韓国配置の雰囲気を作るための情報操作ではないのかという指摘も出る。

 韓米が戦作権移管再延期の中心的な根拠にあげたのが北朝鮮の核とミサイルの威嚇に対する対応力不足だった。韓国軍が独自の核・ミサイル対応能力を備えるまでは米軍の統制が必要だという論理からである。だが、朴槿恵(パク・クネ)大統領が「予定通り戦作権移管」とした公約を破ったうえ、現実的に達成が不可能な根拠に基づき軍事主権を自ら永久に放棄したのではないかという批判が起きている。

 偶然にもこうした批判がされると、北朝鮮の核とミサイルに関連した情報が韓米両国から漏れ伝わるようになった。北朝鮮の核武装能力がさらに強力になっているとする情報だ。

 先月24日にはカーティス・スカパロッティ在韓米軍司令官がワシントンで韓国の記者らと会い、「北朝鮮は核弾頭の小型化技術を保持しており、それをミサイルに搭載できると信じている」と話した。 米軍の主要な指揮官が北朝鮮の核弾頭小型化の可能性に言及するのは異例だ。韓国軍当局もじっとしていなかった。今月2日、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)装着が可能な新しい潜水艦を進水したと明らかにした。 最近になり安保専門家たちの間で議論になっている北朝鮮の新型潜水艦の存在を政府が公式に確認したのだ。

 政府は軍当局を通した公式の確認だけでなく、マスコミを通して非公式にも北朝鮮の核とミサイルに関連する情報を洩らしている。5日には国内のあるメディアを通じて北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)に新しいウラニウム工場を作って稼動を始めたという内容が報道された。翌6日には他のメディアが北朝鮮東倉(トンチャン)里のミサイル基地発射台が、2012年12月に長距離ロケットの銀河3号発射の時より2倍近く大きい60メートル程度に建設されたと報道した。

 一連の報道は実は新しいものではない。東倉里ミサイル発射台の場合、今年7月末に米国の北朝鮮専門サイトである「38ノース」が東倉里に55メートルの発射台が建設されていると衛星写真と共に公開したことがある。また、北朝鮮が寧辺でウラニウム工場を建て増しするという事実も、昨年から米シンクタンクなどを通して何度か報道された内容だ。さほど新しくもない内容に若干の新事実を付け加え、一部のメディアを通して繰返し報道されているのだ。

 チャン・ヨンソク ソウル大学統一平和研究員先任研究員は「戦作権移管延期の発表前後に、北朝鮮の核とミサイルの威嚇が強調されだしている」として「政府当局者の言葉を通じて新しくもない内容が流布されているという点からして、自らの政策を正当化しようとする政府の意図が透けて見える」と話した。

 セウォル号事故一週間後の今年4月22日、国防部は定例ブリーフィングで「北朝鮮の咸鏡北道吉州(キルジュ)郡 豊渓(プンゲ)里の核実験場一帯で多数の活動が感知されている」と明らかにした。当時、セウォル号事故に対する関心を逸らすために北朝鮮関連諜報情報を活用したという批判が提起された。

 ある政府当局者は「東倉里発射台拡大は以前から米国などで出始めた内容」と認めたが、「1、2か月程度の確認過程を経て報道されるものなので、わざわざ流布させるためではないようだ」と話した。

チェ・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014.11.06 20:48

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/663340.html  訳Y.B

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