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劣悪な韓国労働事情、身を粉にして働いても貧困から抜け出せない

登録:2015-01-27 23:55 修正:2015-01-28 14:04
昨年の低所得層の階層上昇率22.6%
調査以来最低...貧困層への転落は増え

 27日昼、キム・ヒョンサン氏(仮名・62)は、夜明けから拾い集めた30キロの古紙を家の近くの古物商に渡し、1 キロ当たり90ウォン(約10円、100ウォンは約11円)ずつ、合わせて2700ウォンを受け取った。近所のスーパーを回ると段ボール箱空は集められるが、持病の退行性関節炎はそれ以上の労働を許してくれない。一日分の労働はカップラーメン1個(1100ウォン)とマッコリ1瓶(1200ウォン)、そして100ウォン硬貨4つになった。ソウル鍾路(チョンノ)区敦義(トニ)洞の0.8坪の「長屋」に住んでいるキム氏にとって貧困は現実であり、未来だ。彼は「1カ月の家賃23万ウォンを納められず、路上に追い出される場合が多い」と話した。

低所得層の階層上昇率の推移。 //ハンギョレ新聞社

 ソウル東大門(トンデムン)区のある特別養護老人ホームで療養保護士として働くチェ・チャヒェ氏(仮名・56·女)の都合は少しマシだ。チェ氏は今月の給料として129万ウォンをもらった。まだ一人前の仕事についていない二人の娘と暮らすのにギリギリの収入だ。 2008年まで介護の仕事をしていた時は、給料(100万ウォン前後)こそ少なかったが、病院で寝泊りしてお金を貯めることができた。チェ氏は「(京畿道)議政府(ウィジョンブ)市の自宅から通勤にかかる交通費や通信費、暖房費など生活費を払うのがやっとだ」と話した。キム氏にもチェ氏にも”明日”が無いのは同じだ。

 低所得層が中産層に、中間層が高所得層に上がる「階層上昇」がますます難しくなっていることが分かった。国務総理室傘下の国策研究機関である韓国保健社会研究院(保社院)が27日発表した「2014年韓国福祉パネル基礎分析報告書」によると、低所得層の階層上昇率、つまり低所得層世帯が中産層以上に上った割合は、昨年の調査で歴代最低値(22.64%)を記録した。ここで、低所得層とは経常所得が中位所得(すべての世帯を所得順に並べた場合真ん中に位置する世帯の所得)の半分以下の層で、4人世帯基準月収が約215万ウォン以下(2013年)がこれに当たる。中位所得の50〜150%の間なら中間層、それ以上であれば高所得層だ。

 イ・ジュンヒョプ現代経済研究院経済動向分析室長は「韓国のように福祉水準が低い国で、低所得層が中産階級に進入することができるほぼ唯一の方法が労働なのに、最近増えた働き口の多くが低賃金の非正規雇用中心で、仕事をしても貧困から抜け出せないワーキングプアが増えた」と指摘した。

 低所得層の階層上昇がより難しくなったのに対し、中間層が低所得層に滑り落ちる割合は最近ますます高まっている。 2012年の調査時に前年調査に比べ6.14%だった転落の割合は、2013年の調査で9.82%、昨年の調査では10.92%と大きくなる一方だ。貧困に陥るのは容易でも、少しでも余裕のある生活を手に入れるのは困難になっているという意味だ。 2006年に始まった「韓国福祉パネル調査」は、人口集団生活別の生活実態と福祉の需要などを把握するために毎年5000世帯を対象に行われている。この日発表された第9次調査は昨年3月から7月まで実施された。

チェ・ソンジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.27 22:01

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/675607.html  訳H.J

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