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【社説】中国、ハンファオーシャン「MASGA」に制裁…経済的圧力を撤回せよ

登録:2025-10-16 07:53 修正:2025-10-16 09:17
李在明大統領が8月26日(現地時間)米国フィラデルフィアにあるハンファのフィリー造船所で開かれた「ステート・オブ・メイン号」の命名式に参加している/聯合ニュース

 中国が韓米造船業界の協力プロジェクト「MASGA」(米国造船業を再び偉大に)の象徴として注目されているハンファオーシャンの5つの米国法人と中国の組織・個人間の取引を禁止する報復措置を発表した。今回の措置は、官営メディアの報道などを通じてMASGAを警戒してきた中国が本腰を入れて投げた「牽制球」だと読み取れる。今後も、国家の安全保障と密接に関連する造船や半導体などの重要産業分野における韓米協力が深まるにつれて、中国の報復措置も増えることが懸念される。韓国政府は中国に対して、今回の措置についての明確な根拠を要求するなどにより、不当な「経済的圧力」措置が撤回されるよう最善を尽くし、今後も被害を最小限に抑えるよう、米中双方との意思疎通を強化しなければならない。

 中国商務部は14日、「商務部令2025年第6号」を通じて「米国が中国の海事・物流・造船工業を対象に(通商法)301条の調査を開始して関連措置を取ったことは、中国企業の正当な権利を著しく侵害したもの」であり、「ハンファオーシャンは、米国内の関連子会社を通じて米国政府の調査活動に協力し支持したことで、中国の主権・安全保障・発展の利益を損ねた」として、ハンファのフィリー造船所など同社の米国内の子会社5社と中国の組織・個人間の取引・協力などを禁止することを明らかにした。造船業をとりまく米中対立の火の粉が、間に挟まった第三者である韓国に降りかかってきたということだ。

 中国側の発表文によると、ハンファオーシャンに制裁を加えた理由として、米国政府の調査に協力・支持した点を挙げた。この論理に従えば、米中が競争する重要産業で米国に協力する韓国企業は、常に中国の制裁を覚悟しなければならない。これに対する納得できる合理的な説明を示せないかぎり、米国に代わる自由貿易秩序の守護者の役割を自任してきたはずの中国が、近隣諸国を相手に不当な経済的圧力措置を取ったという非難は避けがたい。

 米国はジョー・バイデン政権期から、米国の造船業復活と中国封じ込みのために多くの努力を重ねてきた。4月には中国の海運会社の船舶などに重い入港料を課す政策を発表し14日に施行した。また、造船業強国である韓国(2024年の受注シェア18.1%・世界2位)と「MASGA」と呼ばれる戦略的協力を模索している。この事業をめぐる米中の対立は続くだろうが、韓国にとっても「生死をかけた国益」が関わっているだけに、退く余地はない。双方と深く対話をしつつ、韓国が対立の最前線に立たされないよう、積極的かつ慎重にこの難題を乗り越えなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1223580.html韓国語原文入力:2025-10-15 18:42
訳M.S

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