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[探査報道]李明博政権の資源外交(4)災難と化した公企業の無能

登録:2015-01-21 23:21 修正:2015-01-24 20:08
資源自主開発率1.8%上げたから石油公社に211億ウォンの成果給支給
石油公社が買収したカナダのエネルギー会社ハーベスト。資料写真 //ハンギョレ新聞社

 2009年10月、韓国石油公社によるカナダのハーベスト社吸収は、国家に1兆ウォン(約1100億円、1ウォンは約0.11円)を超える損失を負わせた災難だったが、石油公社にとっては“祝福”に値した。 石油公社はこの取引で資源自主開発率を1.8%引き上げ、「2009政府公共機関経営評価」でB等級を受けた。 その年、石油公社は役職員に成果給として211億6600万ウォンを配ることができた。 C等級で116億ウォンだった2008年より一段階上昇した。役職員1人当り平均にすれば1800万ウォンに近い金額であり、カン・ヨンウォン元社長は1億1500万ウォンを得た。 当時、石油公社はハーベスト社とサビアペルー、すぐに生産可能で自主開発率を引き上げられる生産油田を多数買収していた。

政府が与えたニンジンのおかげで“大盤振る舞い”

ガス公社は2011年に196億ウォンの成果給
資源開発の先頭に立った公社の社長たち
李明博と学縁・地縁などで結びつく

 石油公社だけではなかった。ガス公社は2010~2011年にカナダのホーンリバー、オーストラリアのCLNG等、8つの事業に数兆ウォンの投資金を注ぎ込み、公共機関評価で前年度より一段階高いB等級を受け、それぞれ184億ウォンと196億ウォンの成果給を配った。 鉱物公社も2009年と2010年にメキシコのボレオ銅鉱とマダガスカルのアンバトビーにそれぞれ数千億ウォンの“不良投資”を行ったが、計100億ウォンを超える成果給を受け取った。

 これらの公社を成果給の“大盤振る舞い”に導いた鍵は、まさに自主開発率の上昇だった。 2008年度資源関連公企業評価からエネルギー総輸入量に占める自ら直接生産する比率を意味する自主開発率が主要評価項目に含まれた。 自主開発率が公企業の評価に占める比重はますます高まった。 石油公社の場合、2008年には100点満点中の3点から2010年には8点まで急上昇した。 このような誘引装置によって自主開発率は2008年の5.1%から2011年には12.9%に二倍以上急増した。

 自主開発率の向上を通した成果給支給は、他方では“鞭”にもなった。 自主開発率目標を達成できずに経営評価で悪い評価を受けた場合、社長は責任を負わなければならなかった。 職員が受け取る成果給も大幅に減った。 ある公企業の役員は「責任を負わない“無鉄砲”精神」と評した。 本人の任期中にさえ問題が生じなければ目標達成のためには何でも強行するということだった。

 李明博前大統領と縁のある実力者社長は、恐れることなく突っ走った。大宇インターナショナル出身のカン・ヨンウォン元石油公社社長は「希望教会」(李明博前大統領が通う教会)、キム・シンジョン鉱物資源公社社長は慶尚北道安東(アンドン)出身で高麗大学を卒業した。 チュ・ガンス元ガス公社社長は現代総合商事で成長した現代人脈だ。 これら公企業の社長たちは、時には理事会を無力化し(ハーベスト社吸収)、また時には相手国家の大統領の警告を無視してまで(サビアペルー吸収)、ひたすら自主開発率向上のために突進した。

 監督責任がある旧知識経済部(現、産業通商資源部)は、総理室と大統領府に責任を転嫁して“知らぬ存ぜぬ”を押し通した。 2009年9月から知識経済部長官を1年半近く務めたチェ・ギョンファン現経済副総理は、昨年10月の企画財政部国政監査で「当時、知識経済部長官として責任を感じなければならない」という指摘に対し「国務総理室が主導し汎政府次元で進行されたことについて個人に責任を問う状況ではない」と答えた。別の産業通商資源部幹部は「私たちは事実上、資源外交から排除されていた」として「大統領府と総理室などが資源関連公企業と直接的な通路を持って事業を推進した」と話した。

チェ・ヒョンジュン、イム・インテク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/674563.html 韓国語原文入力:2015/01/21 10:40
訳J.S(1763字)

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