候補者は判検事出身で保守一色
「少数者・社会的弱者への配慮など
多様な価値観が判決に盛られるべき…
暖かいぼたん雪のような大法院判事がいてほしい」
大法院(最高裁)判事候補推薦委員会が来月退任するシン・ヨンチョル判事の後任判事の候補者3人全員を保守指向、50代男性、判検事出身から推薦したことに対し、現職判事が「大法院判事の構成多様化要求に背を向けた」と強く批判した。
水原(スウォン)地裁のソン・スンヨン判事(41・司法研修院29期) は、大法院判事候補者が発表された14日夜、裁判所内部の通信網(コートネット)に載せた「大法院判事任命推薦に関する意見」という文で、「推薦結果は、大法院判事の構成多様化についての裁判所内外の要求を十分に受容できていないという憂慮が先に立つ」と明らかにした。 大法院判事候補推薦委はカン・ミング昌原(チャンウォン)地裁所長(57・14期)、パク・サンオク韓国刑事政策研究院長(59・11期)、ハン・ウィス法務法人太平洋代表弁護士(58・12期)を推薦した。
ソン判事は「大法院判事の構成多様化とは、少数者や社会的弱者に配慮する人が大法院の構成員となり、多様な価値観を判決に盛り込む事を意味する。 根本的に少数者や社会的弱者の保護という司法部の使命と密接な関係がある」と明らかにした。 さらに「推薦される直前までの一部経歴(判事・検事退職後の弁護士活動など)を多様化の根拠とするのは、外形的かつ表面的多様化に過ぎない」と指摘した後、「大法院長官が今回の推薦枠に局限されず、大法院判事の構成多様化の趣旨が実質的に反映されるような大法院判事を推薦する必要がある」と書いた。 彼はアン・ドヒョンの詩「私たちが雪だったなら」の一節を引用して「暖かいぼたん雪のような大法院判事がいてほしい」と書いた。
ソン判事は、退任を控えたシン・ヨンチョル判事にも言及した。 彼は「2009年にシン判事がソウル中央地裁所長として在職中に行なった行為が、重大な憲法的価値である裁判官の独立を侵害したという議論が展開された。 今回推薦される大法院判事がその後任であるという点からも、大法院は発展的かつ前向きな立場を堅持すべきだ」と強調した。 シン大法院判事は、ロウソク集会事件を特定の裁判部に集中配当して処罰を督促する旨の電子メールを判事たちに送ったという事実が、大法院判事任命直後に明らかになり、強い辞任要求を受けたことがある。 ソン判事も当時、シン大法院判事を批判する文を掲載した。
ソン判事の文には15日午後までに裁判所職員約10人が支持を示した。 2003年には、当時のチェ・ジョンヨン大法院長官が従来の慣行どおり高位職裁判官出身者を大法院判事候補に推薦しようとしたところ、判事144人が連判状に署名して反発した経緯がある。 これは、改革的指向の人物が大法院判事に起用される一つのきっかけとなった。
現在、梁承泰(ヤン・スンテ)大法院長官を含む大法院判事14人のうち12人がソウル大学法学部出身であり、大半が裁判所の高位職から大法院判事に“直行”した。 国会には、大法院判事の半数以上を非裁判官出身者とするという法案が提出されている。