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韓国政府の非正規雇用対策、正社員への転換は上辺だけ

登録:2015-01-13 22:32 修正:2015-01-14 14:53
雇用労働部の業務報告
朴槿恵大統領が13日午前世宗市行政支援センター国際会議場で開かれた2015年政府業務報告及び経済核心3カ年計画会議を主宰している。世宗/イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

「正社員への転換支援」表明したが
方法は「実態確認」だけ
外注など間接雇用には触れず

「公共機関からの賃金体系改編」
財界と韓国労総議論の最中
政府の一方的な推進が問題に

 政府が常時・継続的な業務には正社員を雇用する慣行を定着させるとしながら、公共部門における間接雇用労働者の雇用安定の確保には消極的だという批判が出ている。

 イ・キグォン雇用労働部長官は13日、大統領業務報告に関連するブリーフィングを開き、「常時・継続業務には正社員を雇用する慣行を作っていき、今年から正社員への転換を支援する」と述べた。これは、朴槿恵(パク・クネ)大統領が前日の新年記者会見で非正規雇用問題に関連し解決すべき重要な課題として差別禁止とセーフティネットによる保護を取り上げ、「常時的、継続的な業務の場合は雇用が安定するようにしなければならない」と言ったことから一歩進んだものだ。雇用労働部はそのために公共部門の常時継続業務従事者を正社員に転換し、政府と公共機関の請負契約の更新時における雇用の維持と雇用継承などの内容を盛り込んだ「用役労働者の労働条件の保護に関する指針」の遵守実態を確認することを明らかにした。

省庁別主要業務計画。 //ハンギョレ新聞社

 しかし、政府の正社員転換対象には期間制労働者が含まれるだけで、間接雇用労働者は最初から除外されていた。また、政府の指示を他の省庁や公共機関が違反する場合でも、特に罰則規定がないことから、中身のない対策という批判がされている。さらに政府の言う正社員は労働契約期間を特に定めない無期契約職であり、賃金と福利厚生で大きく劣るいわゆる“中規職”という指摘が後を絶たない。

 2011年に9万9643人だった公共部門の間接雇用労働者は、2013年には11万1940人に増えた。新年早々に政府世宗庁舎で働く技術職用役労働者約30人が用役業者変更の過程で解雇され、問題にされた後に一部の解雇労働者を復職させていた。イ・チャングン民主労総政策室長は「政府は非正規雇用総合対策を発表する前に、間接雇用労働者の雇用継承を大幅に強化するかのように話していたが、発表ではこれについては何も触れなかった」とし、「外注、委託、役務などの公共部門間接雇用を削減の具体的な対策が必要だ」と指摘した。

 一方、政府は賃金ピーク制の導入と成果年俸制の拡大など賃金体系の改編を公共機関から推進していく方針である。政府は"正社員過保護"の事例として正社員の年俸を挙げているが、民間企業に賃金体系の改編を強制できないため公共機関から変えていく計画だ。政府は来年1月から実施される60歳への定年延長に合わせ、公共機関の賃金ピーク制の導入を勧告してきたが、成果があまり上がらなかった。賃金ピーク制は労働者の定年を延長する代わりに給与を段階的に減らす制度だ。政府は賃金ピーク制の拡散を誘導するために公共機関経営評価を利用する考えだ。公共機関の場合、経営評価で良い評価を受ければ、社員も割増の成果給をもらって、逆に評価が悪いと、機関長が解任されることもあり影響力が大きい。

 政府はまた、同じ職級であっても成果に応じて異なる年俸をもらう成果年俸制の適用を拡大し、勤務年数さえ満たせば自動的に昇進する勤続昇進制の廃止も推進する。政府は成果年俸制対象を現在の2級以上の管理職から7年以上の勤続労働者に拡大する案を検討している。企画財政部の関係者は「公共機関から成果年俸制の強化、賃金ピーク制の拡大、勤続昇進制廃止などの成果主義賃金体系を導入する計画」だと述べた。

 政府、財界、韓国労総が労使政委員会で賃金体系の改編について議論を始める中、政府が公共機関を通じて成果主義賃金政策を一方的に推進したことで、今後さらに問題が複雑になる見込みだ。

チョン・ジョンフィ記者、世宗/キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/03 20:54

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/673498.html 訳H.J

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