キム・クァンジン国防部長官が2012年大統領選挙と国会議員総選挙当時に国軍サイバー司令部心理戦団の対南心理戦対応作戦結果(以下、作戦結果)の報告を受けていたことが明らかになった。 この対応作戦は、サイバー司令部が2012年大統領選挙・総選挙に介入したという疑惑を受けている活動であり、キム長官はこの間国会答弁などでこれに関する報告を受けたことはないと否認してきた。
サイバー司による大統領選挙介入疑惑事件捜査を受け持っている国防部調査本部のある関係者は、最近民主党サイバー司大統領選挙介入真相調査団幹事であるチン・ソンジュン議員に対面報告する席で 「サイバー司が国防部長官に国内外での一日サイバー動向 一ヶ、(北韓の)対南心理戦への対応作戦の結果 一ヶなど2種類の状況報告を行った」と明らかにした。 この関係者は「一日サイバー動向報告は50ヶの関係部署には黒カバンに入れて与え、大統領府には網(通信網)で行った(送った)。 一部特異なものを(大統領府に直接)報告したと言うが、それは話せない」と話した。
作戦結果はサイバー司心理戦団がいわゆる(北韓の)‘対南心理戦への対応作戦’を行った後、その結果を収集・分析し計量化した内容だ。 ここには2012年総選挙・大統領選挙当時の対応作戦過程で野党の文在寅(ムン・ジェイン)民主党候補、安哲秀(アン・チョルス)候補を非難したり与党の朴槿恵(パク・クネ) セヌリ党候補を支持した内容のインターネット文が少なくとも2020件含まれていた。 現在このような活動を実務ラインで指揮したイ・某前心理戦団長は軍刑法上の政治関与の疑いで起訴され11日に初公判を控えている。
特に長官が報告を受けた作戦結果は、ヨン・チェウク(現国防秘書官)・オク・トギョン サイバー司令官がイ前団長から報告を受け、対応を‘決心’(指示)したことと同じ内容と見えるが、調査本部は二人の司令官を起訴対象から除外し、キム長官に対しては調査すらしなかった。 調査本部がキム長官の直轄部隊という点が限界として作用した結果と見える。
これと関連してキム長官は、2013年11月・12月国会対政府質問の答弁で、作戦結果の報告を受けたことはないと全面否認した。 キム長官は当時「事業(作戦)結果の報告ではなく、北韓のハッキング試図情報、北韓のサイバーに対する宣伝・扇動にともなう現況などの状況報告を受けている。 北韓と周辺国のサイバー動向のみ報告を受けている」と答えた。 キム・ミンソク国防部スポークスマンは「サイバー司の報告の中で、長官には一日の動向だけが上がる。この事実は捜査を通じても確認された」と説明した。 チン・ソンジュン議員は「キム・クァンジン国防部長官が政治関与の内容が含まれた作戦報告を受けたにもかかわらず、それを見過ごしたことは、軍の政治介入活動をほう助したことになる。 しかも長官がサイバー司の政治関与に対する自身の責任を回避するために国会で偽証したとすれば、政治的責任のみならず法的責任も負わなければならない」と話した。
<ハンギョレ>はキム・クァンジン長官の弁明を聞くために何度もスポークスマン室を通じて問い合わせしたが、答えはなかった。
ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr